結婚前にすべてのカップルが行うのが「婚約」です。しかし、この婚約の定義は、きちんと説明できる人は少なく、どうしたら婚約になるのか、分からない人も多いでしょう。
ここでは、婚約とは一体何なのか、また、婚約の注意点など、婚約にまつわることをご紹介していきます。
目次
「あの子、婚約したんだって」なんて噂を耳にしたことがある人もいるかもしれません。しかし、婚約とは、一体どんなことをいうのでしょうか。
結婚は婚姻届を提出し、それが受理されることで成立します。一方で、婚約は基本的に口約束で成立するもの。「結婚してください」「はい、お願いします」というカップルのやり取りは映画やドラマで見たことがあると思いますが、まさにこのシーンが婚約成立の瞬間といえます。
婚約は口約束で成立しますので、プロポーズをして「OK」の返答をすれば婚約が成立します。お互いに将来夫婦になることを合意していれば、それが婚約といえるのです。
「将来結婚できたらいいね」などとカップルの間で会話をすることもあるかもしれませんが、この場合は、少々発言内容が曖昧と言えるでしょう。はっきりと結婚の意志をお互いが把握することが重要です。
また、片方が勝手に結婚したいと言い寄り、相手が拒否しているケースでは、婚約は成立しません。
婚約状態を改めてまとめてみたいと思います。世間では、以下のような状態のことを、婚約中というようです。
お互いの口約束だけでも成立する婚約ですが、公の前で結婚する意志を表明することも婚約の一つの状態と言えます。友人たちを集めたパーティーなどで「私たち結婚します」と宣言することなどが例として挙げられます。
2人の間だけでの口約束でももちろん充分ですが、第三者に婚約の事実を伝えると、それだけでも身の引き締まる状態になるのではないでしょうか。周囲も2人を夫婦としてのプレ期間として捉え、応援する姿勢に変わります。
結婚は家同士の結びつきとも言います。そのため、家族や親族などに対して結婚の許しを貰わなければいけないケースもあるでしょう。家族の同意がなければ婚約できないわけではありませんが、周囲が認めることで婚約の状態は強固なものになります。
内縁の場合、その後結婚する予定がなかったり、交際していることを公にしていないケースがたくさんあります。そのため、内縁は結婚を前提としていませんので、婚約状態とは言えません。
婚約は口約束ですので、法的な効果を持ちます。しかし、婚約は婚姻届のような書類を書く必要はなく、自治体などに資料を提出する必要もありません。手続きがないという点で、婚約と結婚は大きな違いがあります。
ポイントは、行政手続などは必要がないのに、法的な効果を持つということです。恋愛中は、どちらか一方が交際をやめようと言えば、別れることは簡単ですが、婚約の場合は簡単ではありません。双方の合意がない婚約解消の場合では、婚約は法的なトラブルに発展する可能性があります。
さて、結婚のように書類を書く必要もなく、口約束から成り立つ婚約は、どんなメリットがあるのでしょうか。
婚約をすると、これまでただの恋人同士だった2人が、「これから夫婦になるんだ」という強い意識を持ち始めることになります。結婚への意識が強くなり、気持ちが引き締まるのです。
そこには、相手を思いやる心も必要ですし、相手の人生に大きな影響を与えることですので、責任感なども強まります。婚約中は結婚式の準備などで忙しいものですが、それ以上に、精神的な意識の変化をもたらすでしょう。
婚約をすると、周囲に報告する人がほとんどです。会社の上司や同僚に内緒で結婚する人は少ないですし、結婚式に参列してもらうためにも、一旦婚約が決まった時点で婚約を報告する人がほとんどでしょう。
結婚はしばしば、家族、職場などにも変化をもたらします。勝手に結婚してしまうと、仕事のスケジュールに影響が出たり、働き方に変化が出るなど、さまざまな影響があるからです。
仕事に迷惑をかけないという点でも婚約はいい機会となりますが、それ以上に、近しい人には喜んでもらえるのがメリットと言えるでしょう。老婆心から「結婚しないの?」と心配していた諸先輩方も、きっと安心してくれるはずです。
さて、婚約は口約束で成立すると言いましたが、実際にはどのように婚約をしている人が多いのでしょうか。ここでは、これから婚約をしたいと考えている人にも役立つ、婚約の方法についてご紹介していきます。
婚約に必要なものは、以下の3つです。必ずしも必要というわけではありませんが、きちんと婚約をしようと思うのであれば、3つのポイントを抑えるといいと思います。
最近では友人たちが協力してプロポーズを行うこともありますが、口約束で済んでしまう婚約は、第三者がその現場に立ち会うことで確かなものになります。婚約の場で「言った言わない」の揉めごとはないかもしれませんが、第三者が立ち会えば確実に双方が婚約の意志を持ったことを証明できます。
プロポーズをして、恋人同士の間で婚約の意志を確かめたら、多くの場合は両親に挨拶をするのが常識となっています。他にも、以下の方法で婚約を結ぶケースもあります。
簡単に両親に挨拶をして、結婚を認めてもらってもいいですが、中にはしっかりと結納を交わす家庭もあります。
結納については、最近はやらないという家庭も多いです。しかし、略式のものを行なったり、しっかりと昔ながらの方法で行う家庭もあります。地域や家庭にもよりますので、両家で話し合って行うといいでしょう。
結納などでもそうですが、お互いに記念の品を贈り合うケースは多いです。贈るプレゼントの内容や金額は、それぞれのカップルによって違います。
婚約式や婚約パーティーをするケースはそうそう多くはないですが、婚約式を行うカップルもいるようです。中には、結婚式は親族だけで行い、婚約式は友人も呼んで盛大に行うというケースもあります。
結納をカジュアルにしたものという捉え方をしているカップルもいるようです。
婚約をしたことを伝える通知を送るケースもあります。多くの人に婚約の証人となってもらえますので、メリットは大きいでしょう。昔から、「結婚しました」という通知を送るケースはありますが、婚約通知状をもって代える人もいるようです。
婚約通知状は、基本的に職場や仕事関係の人には送らないのがマナーです。プライベートなことなので、個人の付き合いの範囲内で送りましょう。
婚約指輪と結婚指輪を混同している人もいるかもしれませんが、どちらも無ければいけないものではありません。そのため、婚約指輪を送って結婚指輪を送らなかったりするケースもあります。
結婚指輪を婚約指輪代わりにするカップルもいるようです。そもそもは、婚約指輪は婚約の証として送ることが多く、結婚指輪は、夫婦の絆を明かす形で身に付けている人が多いです。
ここでは、婚約中の過ごし方について紹介します。婚約中は独身とはちょっと違います。注意すべきことがありますので、心得ておきましょう。
両親や身内、友人など、親しい人に婚約の状態を伝えましょう。職場などは、同僚には言わなくても上司などには報告したほうがいいでしょう。
記念の品は、男性から女性に送る場合、エンゲージリングが一般的。他にもネックレスや時計、ピアスやイヤリングなど、身につけるものを送ることが多いです。男性へは時計を贈る女性が多いようです。
最近では、婚約記念品を贈り合わないカップルも多く、約3割近いカップルは婚約記念品を贈りません。
必ずやらなければいけないわけではありませんが、相手の意向や良家両親などの気持ちを汲んで行うケースもあります。
婚約期間は人によって違います。半年後、1年後、3年後など、カップルによって違う婚約期間を設けているでしょう。結婚式をする場合には、準備には意外と時間がかかりますので、「1年後に結婚式をあげる」などの予定が決まっていれば、すぐにでも結婚式の準備に入る必要があります。
次は、婚約中にやってはいけないことをご紹介します。
婚約中は結婚準備中でもあります。結婚前に羽目を外しておこうという考えで自由にしていると、「本当に結婚する気持ちがあるの?」と疑われる可能性もないとはいえません。結婚相手の合意などがあればいいですが、周囲の目もありますので、婚約中は独身時代同様の行動は慎むことが基本です。
婚約をしたからといって、まるで家族のように相手の家庭に入り込みないことも重要です。いきなり「お父さん/お母さん」などと呼べば、「婚約したばかりなのに…」と相手の家族が引いてしまうかもしれません。始めのうちは「おじさま/おばさま」と呼ぶなど、人間関係の距離を考えましょう。
婚約解消や婚約破棄は簡単にできません。恋人が別れるように簡単にいくと思いがちですが、場合によっては裁判などで揉めるケースも出てきます。
婚約解消や婚約破棄に至るカップルは少なくありません。どんな原因があるのかについて軽く触れていきましょう。
婚約中は、結婚中と似たような立場関係になると考えていいでしょう。浮気などの不貞行為があれば婚約解消を言い渡される可能性もあります。
また、付き合って間もなく婚約をしたカップルの場合は、婚約をしてから結婚が現実味を帯び、「この人と結婚していいのだろうか…」と不安になることもしばしば。まじめな人だと思ったらギャンブが好きだったなど、意外な点に気づいたり、ブライダルチェックをしたら子供を作れないことがわかったなど、婚姻生活に問題をきたす場合は、婚約解消・婚約破棄をするケースは少なくないようです。
婚約は、法的な手続きは不要だが、口約束での契約になります。そのため、婚約自体には法的な効果があります。不貞行為や、学歴詐称など、結婚をするにあたって問題となることが明らかになった場合は、婚約解消の正当な理由となり、婚約破棄を言い渡されてしまう可能性もあります。
また、「結婚したくなくなった」などの正当な理由がない場合、相手が婚約破棄を不服とする場合は、債務不履行、不法行為と告訴されるケースや、慰謝料請求などに発展する可能性もあります。
例えば、付き合ってすぐなどのタイミングは、お互い浮かれていて冷静でないことも多いです。勢いでプロポーズして、そのままOKしてしまうと、「気持ちが冷めてしまった」となった際に「婚約破棄」状態となり、法的なトラブルが起こる可能性があります。
プロポーズをされたら嬉しいですが、その後は簡単に関係を切れないからこそ、冷静に考える必要があります。もし、相手にプロポーズをされても、ノリでOKしてしまわずに、「もう少し付き合ってから考えたい」と、気持ちを正直に話すようにしましょう。
婚約は、口約束でも成立してしまうため、比較的ハードルが低いです。しかし、一度婚約すれば、簡単には破棄できないことを肝に銘じておく必要があります。もし、周囲に流されて婚約しそうになっても、自分を本当に思ってくれる相手なら、婚約の踏ん切りが着くまで待ってくれるはずではないでしょうか。冷静になることがまず大切です。