婚約指輪に「お返し」をする風習があること、あなたはご存知でしたか? 当然のようにお返しをしているカップルもいれば、そうでないカップルもいることでしょう。ここでは、何を贈ればいいのか迷っている人に人気のお返しの品をご紹介します。また、贈らない選択もアリなのか?についても、深掘りしていきますよ!
どうすべきなのか迷ったら、やっぱり先輩夫婦たちにその経験を聞いてみるのが一番参考になります。婚約指輪のお返しはどうしたのでしょうか?
婚約指輪のお返しをしたのかどうか――。過去のアンケートでは、以下のような結果が出ています。
アンケート結果を見ると、婚約指輪のお返しをした女性(男性)は、全体の2.5割程度しかありません。全体の約4割は婚約指輪のお返しはしておらず、この結果だけ見ると、婚約指輪のお返しをしないのが一般的になっていると思えます。
ただ、これから婚約指輪のお返しをする予定の女性(男性)もいるため、それを含めると10人に3人は婚約指輪のお返しをしているという計算になります。
さて、ここでは一旦、お返しをしたいという方に向けて、人気のお返しリストを共有したいと思います。婚約指輪は、日本では一般的に男性から女性にプレゼントするものです。そのため、お返しリストにある項目は女性から男性に贈る品物が多い割合を占めています。
婚約指輪と同じ身に付けるもので、男性でも常に身につけてられるものといえば、この腕時計です。女性の場合は会社でもアクセサリーを身につけられますが、男性の場合はネックレスやピアスなどは身につけられないことがほとんどでしょう。
すると、いつも身につけることができる腕時計が選ばれやすいのです。価格的にも数万円から十数万円と幅があり、婚約指輪のだいたいの相場に合わせて選べるのも人気の秘密かもしれません。
仕事で着るスーツも、人気のお返しに入ります。時計のように一生身につけられるものではないかもしれませんが、スーツは男性の勝負服という人もいるほど、大切なアイテムです。愛するパートナーからプレゼントされたら、仕事も一段と頑張れそうですよね。
お財布も時計同様、いつでも身に着けられるものです。男性の中には「長財布がいい」「二つ折りタイプが使いやすい」など、こだわりがある人も多く、お気に入りのブランドがあるという男性もいるでしょう。お返し用に購入する前には、一度好みをリサーチしてから購入することをおすすめします。
こちらも男性にとってはアクセサリーのように身につけられるものです。なかなか自分では新調しないアイテムの一つでもあるので、婚約指輪のお返しに選ぶのもいいかもしれません。
お仕事で使うアイテムの中でも、万年筆などの筆記具は実用的で好まれます。また、インクを入れ替えることでいつまでも持ち歩くことができるので、その点でもおすすめできます。
婚約指輪は男性が、結婚指輪は女性がと分担しているカップルは少なくありません。婚約指輪の平均購入価格はだいたい40万円程度と言われます。一方で、結婚指輪の平均購入価格は10〜20万円程度です。婚約指輪はダイヤモンドなどの宝石があしらわれていることがおおいので効果になりがちですが、結婚指輪は普段づかいできるようにシンプルなものがほとんど。価格帯が抑えられます。
婚約指輪は男性がサプライズで購入することが多いので、「結婚指輪くらいは私が…」と、女性側が準備することになるようです。
男性の中には、趣味をお持ちの方も多いのではないでしょうか? その趣味に関連する品物をお返しに用意する女性もいるようです。女性によっては「その趣味はちょっと…」と、応援できないものもあるかもしれません。しかし、男性は自分の趣味が認められると喜ぶ人も少なくありませんので、婚約指輪のお返しには意外とおすすめです。
他に贈るものを選ぶなら、日常で使うものを選ぶといいでしょう。人気リストの上位には、腕時計やスーツ、ネクタイピンなど、なんとなくスーツを着た会社員像が浮かんできます。でも、最近はスーツ着用の職場ばかりではなく、私服通勤も多いですよね。その場合は、「日常でよく使う」「長時間身につけてられるもの・そばに置けるもの」などを選ぶといいでしょう。
基本的には消耗品を贈ることは少ないですが、趣味だと言うなら香水などでもいいと思います。婚約指輪のお返しは縁起を担ぐという風習もあまり聞きませんので、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントを選ぶように、とにかく御本人の喜ぶもの、記念になるものなどを贈るといいでしょう。
ここからは、婚約指輪のお返しにまつわる疑問や質問について深掘りして行きたいと思います。
冒頭のアンケート結果にもありましたが、最近は婚約指輪のお返しを買わないカップルも増えています。
その理由を見ると、「結婚後の新婚生活のためにお金を使いたい」といった堅実な意見や、「新婚旅行に使いたい」といった自分たちならではのお金の使い方をしたいという意見が目立ちました。
また、すでに結婚は済ませたカップルの中には、「今まさに、お返しの費用を貯金中」という人も…。お返しをしていないという人は多いですが、感謝の気持ちを何らかの形で表したい人は少なくありません。
ちなみに、「婚約指輪のお返し」という考え方は日本特有の習慣で、欧米では見受けられないものです。もともと日本は内祝い・お祝い返しをする文化があるため、昔は今に比べて、婚約指輪のお返しをするのが一般的だったのかもしれません。
婚約指輪を結納で納めるというケースも少なくありません。では、婚約指輪のお返しは結納返しと同義なのかというと、実は違います。
大きな違いは、婚約指輪のお返しは2人の間でのやりとりだということです。結納返しを納める先は女性の家庭。つまり家庭同士のやりとりで交わされるものといえます。女性自身に渡すプレゼントではありません。
婚約指輪は結納の記念品として渡すことはできますが、そのお返しは結納返しであり、男性の家庭に贈るもの。男性に対して渡すものではないのです。
婚約指輪=結納品と思っているなら、その点は少し改めておくといいでしょう。今回上記で紹介した「人気お返しリスト」は、結納返しではありませんので注意してください。
婚約指輪のお返しの相場は、基本的には半返しと言われます。婚約指輪の平均購入価格は40万円というデータもあるので、この場合は20万円の品をお返しするのが目安です。
しかし、半返しが一般的とは言え、実際に婚約指輪のお返しの目安だけを調べると、10〜15万円が多く、実際のところ、きっちり婚約指輪の半額というわけではありません。
また、人によっては経済的に10万円や20万円もする品物を購入することができない人もいるでしょう。その場合は、これから人生をともにする相手ですから、見栄を張ったり無理をしたりをせず、できる限りのお返しで充分です。前述の通りお返しをしないケースも多いので、高価なプレゼントを無理に用意する必要はありません。
経済力に見合わない贈り物をわざわざ贈るのは、相手も負担に思うものです。贈られた婚約指輪をありがたく受け取り、大切にしてあげるのも相手への礼でしょう。
婚約指輪は、日本ではほとんどの場合男性が購入します。その理由を尋ねると、「男性が購入するものだと思っていた」というものがほとんど。プロポーズの際に男性がひざまずき、指輪をプレゼントするシーンをよく目にするので、そのイメージが強く残っているようです。
そのため、婚約指輪のお返しというと女性がするものという印象があるんですね。
婚約指輪のお返しは、すべてのカップル間で行われていることではありません。婚約指輪のお返しを行ったカップルを見ていくと、「結婚にかかる費用は割り勘で」といった思考があることに気づきました。
お返しというのは形だけで、実は男性は婚約指輪、女性が結婚指輪など、購入するものを分担しているだけのカップルはちらほら見られます。
結婚にかかる費用は婚約指輪だけではありませんよね。結婚式、新婚旅行、新居の準備などにもお金がかかるため、トータルでは男女ともに同じ額を費用負担していたということは少なくありません。
最近は、男女のデートでも割り勘が当たり前の時代です。そんな文化から、結婚費用も割り勘でという思考が定着したのでしょう。
一番多いのが、経済的に余裕がないという理由です。結婚生活が始まれば、多くの場合同じ家計で生活をすることになります。結婚式や新居の準備で費用がかかるのに、それに加えて出費を増やすのは気が進まない人も多いでしょう。
このような状況をお互いに把握していて、お返しを最初から断る男性も多くいます。2人で話し合い、結婚指輪の購入はやめて、婚約指輪だけにするカップルもいるようです。本当に夫婦それぞれ、納得する形を選んでいるカップルが、お返しをしなかったカップルには多く見られます。
また、中には“お返し”の概念を持っていないカップルもいます。婚約指輪のお返しという文化自体を知らないケースです。実はお返しにあたるものをプレゼントしていても、「お返しをしている自覚」がないケースがあります。それだけ、婚約指輪のお返しをするという風習は、日本人から薄れている証拠なのかもしれませんね。
婚約指輪のお返しは、日本独特の文化です。絶対にしなければいけないものではなく、贈りたければ贈るという自由さがあります。先輩夫婦たち例を見ても、お返しの有無と、その理由はそれぞれです。「半返ししなければ…」と、思って悩んでいるのなら、お返しをしないという選択も含めて、改めてその必要を考え直してみてもいいかもしれませんね。