披露宴で欠かせない、新郎からの挨拶。
しかし、いざ自分が挨拶するとなると、何を何から伝えたらいいのか迷ってしまいますね。
参列していただいたゲストの方に、お二人の想いを伝える事ができる様、新郎の挨拶で組み込むとよいポイントを紹介します。
新郎挨拶と一言でいっても、実は大きく二種類あります。
その名の通りゲストに『ようこそ!』を伝えるスピーチです。
結婚披露宴の一番最初のプログラムとして組み込むのが一般的です。
このウェルカムスピーチですが、披露宴の中では、あまり歴史が古いものではなく、定着したのはここ数年といえます。
ですから、このウェルカムスピーチを絶対しないとおかしいとか、不自然とかそういったものは、ほぼありません。
ウェルカムスピーチが近年定着した理由としては、結婚披露宴がアットホームになったことが大きな要因でしょう。
アットホームな結婚式、すなわち新郎新婦とゲストの距離感を近づける結婚披露宴の作り方の一つとして、披露宴スタートに聞きなれた新郎の声をゲストに届けることによって肩の力を抜いてもらうという作戦の一つでもあります。
内容ももちろん大切ですが、緊張した初々しい新郎の声を届ける事が目的の一つと捉えることができたら、少し肩の荷がおりて楽しむことができませんか?
謝辞は結婚披露宴の結びに行う、締めの挨拶の事です。こちらは結婚披露宴の演目としては、歴史のあるものです。
しかし、昔の結婚式の謝辞は今とは違っていました。
『両家代表謝辞』という名目で、だいたいは新郎の父が行っていたのです。
昔の結婚式はお家とお家の結婚式というやり方がほとんどでしたから、新郎家の代表は新郎ではなく、新郎父なのです。
ですから新郎が挨拶をする、という文化自体はまだ新しいものであり、むしろ新郎父が挨拶しないほうが、違和感を覚える方がいらっしゃるかもしれません。
でも二人の結婚式なのに、締めの挨拶が新郎父だけ?というのはやはり違和感が残ります。
そこで今の結婚式は『新郎挨拶』と『新郎父挨拶』と二回行うことが多いのです。
謝辞の順番は二番目(最後)に話すのが、主催者(ホスト)とされますので、新郎新婦二人の披露宴ということでしたら、新郎父→新郎の順番でスピーチするのがよいでしょう。
新郎父と二人の謝辞になるようでしたら、内容の打ち合わせを事前にしておきましょう。
せっかく用意した挨拶も同じような内容になってしまうと、最後に話す方が大変な思いをします。
また、お父様の口から挨拶してほしい内容があれば、お願いしておくとよいですよ。
そういえば、なぜ新郎ばかりがマイクをもって挨拶するのでしょうか?
それは男性が優位という日本の文化によるものから、まだまだ代表者は男性となることが多いのです。
しかし、二人の結婚式なんですから、新婦だって挨拶していいんです。
謝辞については、後半両親への手紙朗読をすることが多いので、謝辞に新婦が参加すると、新婦がずっとしゃべっているイメージになりがちなので、あまりオススメしません。
もし、新婦からも感謝の気持ちを伝えたければ、ウェルカムスピーチで一言ご挨拶をするとよいでしょう。
お二人のウェルカムの気持ちが伝わり、ゲストも披露宴を楽しんでもらえるのではないでしょうか。
開口一番となりますから、まずはお礼を伝えましょう。
ウェルカムスピーチは披露宴の最初です。
つい先ほど挙げた挙式について、報告や感想を一言いれるとよいでしょう。
お二人が考えに考えて作った披露宴。
そのコンセプトやこだわりは事前に知っていると、知っていないでは、注目度も違うというもの。
せっかくのこだわりがゲストに伝わるよう、ここで報告しておきましょう。
コンセプトをお伝えして、ゲストの皆さまにはその一日の過ごし方をお伝えするとよいでしょう。
会場の特徴などもお伝えできると、ゲストは過ごしやすいですね。
披露宴をするにあたって、たくさんのゲストの方に力添えしてもらっていることでしょう。
お祝いの席だから、と忙しい中二人のために骨を折ってくれたことに感謝の気持ちを伝えたいですね。
ここで余興などの感想が入ると、より気持ちが伝わります。
また、出し物以外で何かを作ってくださったりしている場合も、ここでお礼を伝えましょう。
新婦は両親へ手紙朗読があるかと思いますが、新郎はありませんので、照れくさいですがここでお礼の気持ちを伝えましょう。
他に伝えなくてはいけないことがありますので、感極まりすぎない内容でよいでしょう。
今日までの感謝や結婚準備において、がんばってもらったことを労うとよいでしょう。
明日からの新生活についても、こんな風にしていこう、というものがあれば伝えられると、とても微笑ましい雰囲気になりそうです。
結婚式をするにあたって、担当のプランナーや披露宴会場のキャプテンなど、結婚式場のスタッフの力があってこそ大成できたことも、たくさんありますよね。
すでに入籍済み・●月●日に入籍する予定…など入籍に関する報告をします。
新婦側はこれで呼び方が変わったりすることがありますので、きちんと伝えておきましょう。
また、新居についてはだいたい席次表やプチギフトなどに表記してお知らせしているかとは思いますが、自分たちの口から最寄り駅の名前を伝え、近くに来たら立ち寄ってほしいなどを伝えましょう。
二人で事前に話あったり、日々の会話の中で話題となる理想の夫婦像などを語れるといいですね。
多いのは両家の両親を見本にして・・・なんていうのが多いですが、もっと具体的に「こういう時に、こうありたい!」などでもいいですね。
結婚式にはあまり良いとされない、言葉のことです。
例えば『別れる』『終了』『切る』『重ね重ね』などがあります。
『別れる』は夫婦の別れを連想させ、『終了』『切る』は終わりを連想させます。
『重ね重ね』は重ね言葉といい、再婚をイメージさせるため、結婚式にはふさわしいとはいえません。
忌み言葉は調べてみると、たくさんありますが、その忌み言葉を意識しすぎて、スピーチが変な言葉になってしまっては、元も子もありません。ここで挙げたような極端なものは避け、あとはあまり細かく気にしすぎない方がよいでしょう。
何十人の前でマイクを通して話をするのは、なかなか無い経験で、誰もが緊張しますよね。
話すだけでも緊張するのに、暗記をしなくてはならないとなると、そのプレッシャーは何十倍です。
挨拶の事で頭がいっぱいになってしまい、結婚式を楽しめなくなってしまうくらいなら、カンペは用意したほうがいいでしょう。
ただし、カンペを使うからには堂々とカンペを読んでください。
中途半端に暗記をして、「ええっと・・・、」と胸ポケットをモゾモゾするのは、とてもみっともないのでやめましょう。
またカンペも便箋などに用意をして、見た目もスマートにするよう心掛けましょう。
ビシッとタキシードを決めた新郎が、ホテルの電話機の横に置いてありそうなメモを持っていたら、残念でなりません。
暗記に自信がなく、カンペも嫌…という方はその場の想いをその場で言葉にしてみてはいかがでしょうか。
結婚式という大イベントは経験してみないと、その時の想いはわからないもの。
自分の素直な気持ちを伝えたい方は、挑戦してみてください。
披露宴全体の進行により、時間が決まっている可能性があるので、担当のプランナーに確認しましょう。
ウェルカムスピーチは2分、謝辞は5分以内というのが相場でしょう。
ウェルカムスピーチは食事前なので、シンプルにまとめるほうがよいですし、謝辞は締めですのできちんと伝えるべきことを伝える事が必要です。
「本日はお忙しい中、ご参列いただきありがとうございます。」
ウェルカムスピーチはあまり重たくないお礼でスタートします。
「皆様に見守られながら、無事挙式を挙げることができました。」
「皆様にご協力をいただき、思い出に残る人前式を挙げることができました。」
*挙式の感想を一言いれるといいですね。
「何度も試食して決めた、こだわりのお料理を是非堪能していただければと思います。」
「会場は新婦が好きなバラをコンセプトにして、飾りました。随所にバラが隠れていますので、是非見つけてください。」
「二人が出会った、パリの雰囲気がするこちらの会場で披露宴ができることを、嬉しく思っています。」
*どんなこだわりがあるのか?これから始まる披露宴にワクワクします。
「貸し切りの会場ですので、ガーデンなども自由にお使いいただき、くつろいでいただければと思います。」
「美味しい飲み物と料理を楽しんでいってください。」
*この会場でどんな風に過ごせるのか伝え、結びます。
「本日はお忙しい中、私たち二人の結婚式にご参列いただき、ありがとうございます。」
*一番スタンダードな始まりです。
「私たち二人」となっていることから、両家の結婚式ではなく、二人の結婚式としている場合に使用します。
両家の結婚式と二人の結婚式の大きな違いは、結婚式の招待状を親の名前でだしているか、自分たちの名前で出しているかで判断できます。
「本日はお足元の悪い中、○○家○○家の挙式、披露宴にご参列賜り、誠にありがとうございます。」
*結婚式当日が雨や雪の場合に使用します。
両家の結婚式として、挨拶する場合は「○○家・○○家」という表現にします。
「本日はお暑い中、私たちの結婚パーティーに出席していただき、ありがとうございます。」
*7月~9月の結婚式の際、使用します。
「結婚パーティー」という表現はかなりカジュアルな表現になりますので、使用するのに注意が必要です。
「忙しい中、快く余興を引き受けてくれた●●さん、本当にキレッキレのダンスで驚きました!本当にありがとう。」
「この日のために、教室に通って新婦のアクセサリーを作ってくれた、●●さん、今日初めてお会いしましたが、新婦から聞いていた通り素敵な方でした。」
*結婚式のために協力してくれたゲストへ気持ちを伝えましょう。
「この日を迎えられたのも、父さん・母さんがいたからです。父さんいつも厳しかったけど、指導してくれてありがとう。母さん、何も言わずに、いつも見守ってくれてありがとう。」
「●●さん(新婦の名)のお父さん、お母さん。初めてお会いした日から気さくに接して頂き、とてもうれしかったです。これから家族としてよろしくお願いします。」
*感謝を伝える機会は少ないもの。このタイミングを逃さず利用しよう!
「今日こんなに素敵な披露宴にできたのは、仕事をしながら夜な夜な結婚式の準備を進めてくれた○○(新婦の名)のおかげです。いつも俺が気づかないところでありがとう。」
「結婚式までは準備が忙しかったけど、明日からの新婚旅行では一緒にゆっくりお酒が飲めることを楽しみにしてます。」
*結婚式を経て、伝えたい気持ちを率直に伝えてみましょう。
「この結婚式場にするにあたって、プランナーの○○さんには大変お世話になりました。○○さんのアイディアのおかげで、ゲストにとても喜んでもらえました。」
*数か月間、一緒に準備を進めてきたスタッフも一期一会ですね。
「私たちはすでに●月●日に入籍を済ませ、いよいよ明日から新生活が始まります。」
「新居は新婦の実家のお隣の○○です。住所は席次表に記載していますが、お近くにいらした際は是非、お立ちよりいただければ幸いです。」
「来年●月には新しい家族が加わる予定です。」
*新生活のお知らせは欠かさずにしましょう。
Wオメデタ婚を、ゲストが皆知っている場合は、出産予定も伝えるといいでしょう。
「これからは二人で力を合わせて、温かい家庭を築いていきたいと思います。」
「これから二人で新しい家庭を築いていくわけですが、お互いがお互いを認め合い尊敬しあえる夫婦でありたいと思っています。」
「家事が苦手な私ですが、食後の洗い物だけは私がして、○○さんばかりに家事を任せないよう、がんばります!」
*これからの抱負を述べます。
少しユーモラスにしても、親しみを感じられてよいですね。
「これからも、先輩方に色々教えていただきながら、夫婦で成長していければと思っております。」
「まだまだ未熟な、私たちではございますが、これからもご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。」
*締めの挨拶です。
ここで忌み言葉を使って「これで披露宴を終わります。」など言わないよう注意を!
「格好良く決めなきゃ」という事より、「大切なゲストの皆さまに伝えなきゃ」という気持ちでスピーチに臨めたら、多少舌を噛んでしまっても、緊張で声が震えてしまっても、その新郎挨拶はゲストの心に届くはずですよ。
肩の力を抜いて想いを言葉にしてみましょう!