結婚式には、普段は聞き慣れないマナーやしきたりなどがありますね。ここでは、結婚式で恥をかかないための、意外とやってしまいがちなマナー違反と、正しいドレスの選び方をご紹介します。見ていくと、「それってマナー違反なの!?」というものもあるかもしれませんので、ぜひ、確認のためにもご覧いただきたいと思います。
結婚式のお呼ばれには気合を入れて挑む人もいるかもしれません。しかし、「お洒落だから」「こういうのが私の好みなの」といった観点でドレスを選んでしまうと、マナー違反コーデになっていることも…。恥をかかないためにも、まずは結婚式でNGな服装について知ることが必要です。
どんなにお洒落でも「白」のドレスは選んではいけません。白はフォーマルな印象もありますし、色彩の派手さはありませんので、無難だと考えるかもしれませんが、「花嫁」のイメージカラーとかぶってしまいます。
世間一般に、主役である人と同じ色の服装はマナー違反となることが多いようです。それは、結婚式も例外ではありません。とにかく、結婚式のお呼ばれドレスの候補からは、白は選ばないように配慮しましょう。
「私は美脚が自慢なの」「このミニ丈のドレスかわいい!」なんて観点でドレスを選ぶ人もいるかもしれませんが、丈の短すぎるドレスも結婚式にはあまりふさわしくありません。結婚式はお祝いの席なので、華やかさはあってもいいのですが、丈の短さで華やかさを演出することは避けましょう。
ただし、結婚式披露宴が夜の場合は、少しくらい短い丈でも大丈夫です。夜のパーティーなどでは少しセクシーさがあっても、問題ありません。
ただし、露出が多すぎてしまうと、それは他の参列者から冷ややかな目で見られることにもつながります。パンツが見えてしまいそうに短いマイクロミニの丈などは適切ではありませんので、膝上数センチから短くても10センチくらいのものを選ぶようにしましょう。
上記でも触れましたが、露出の多い衣装は結婚式の服装には適していません。スカート丈だけではなく、背中が大きく開いている、肩が出ているものなどは、避けるようにしてください。
ノースリーブ等のドレスの場合も、上にケープやボレロ、ストールを巻くなどして、露出の多さを軽減させる工夫をしましょう。こちらの場合も夜の披露宴であれば露出はOKですが、露出の多さで新婦よりも目立ってしまうのは考えもの。ほどほどにしてください。
「白がダメなら黒で!」という人も多いかもしれませんが、黒は喪服を連想させる不吉な印象があります。最近では、多少許容されている面もありますが、それでも全身真っ黒で参加するのはよくありません。
他の列席している人の中には、高齢の人もいますし、黒いドレスを着ることで気分を害する人もいます。そのため、無難に黒は避けたほうがいいでしょう。
「バイカラーの何がいけないの?」と思う人もいるかもしれませんが、2色使いのデザインが印象的なバイカラーのドレスは、重ね言葉の「2」を連想させたり、忌み言葉の「別れる」を想起させることから、不適切なデザインとされています。
ストールなどでバイカラーの印象を和らげることができればOKとなるケースもありますが、見るからに「バイカラーのドレスだ」と分かるようなデザインは、避けたほうがいいでしょう。意外と選んでしまいがちなので、注意が必要です。
パーティースタイルにはファーをあしらったボレロなどが適していると考える人もいるでしょう。しかし、結婚式においては、ファーは避けるべきファッションアイテムです。
この理由は、ファーが動物殺傷のイメージを想起させ、結婚式にはふさわしくない「死」を連想させることが関係しています。「フェイクファーならOKなの?」と考える人もいるかもしれませんが、他の列席者からはそれがフェイクなのか、本物なのかはわかりません。
そのため、ファーはひとまず避けるようにしてください。
最近では、パンツスタイルの結婚式衣装も売られています。もちろん華やかに、結婚式用に演出されているデザインで、女性らしいシルエットがあれば問題ないかもしれませんが、自身でパンツスタイルの衣装をコーディネートするのは危険といってもいいでしょう。
ビジネスシーンなどでパンツスタイルをする人も多いですが、結婚式は特別違います。男性っぽいイメージを抱かれたり、暗くて華やかさがないと思われてしまうケースもありますので、まずはパンツスタイルは外して考えたほうがいいでしょう。
ここまで見てきたマナー違反の服装は、“しきたり”のようなものが理由で避けられてきた服装です。しかし、マナーやルールに関係なく、他の理由で避けたほうがいいと考えられる衣装もあるのです。
真っ白でなくとも、白に近いドレスは避けたほうが無難です。その理由は、撮影のときに反射して真っ白になってしまったり、撮影の邪魔になってしまう可能性があるから。
出席者などを含めて集合写真を撮ることも多いですが、この場合、白っぽいドレスはカメラマン泣かせの色と言えます。白飛びしたり、周りの人の顔が見えにくくなってしまったり、撮影トラブルの原因になるのです。
撮影のことも考えれば、白っぽい衣装は避けたほうがいいでしょう。
ファッションは個性を表現できるものでもあります。しかし、その服装のお陰で新郎新婦やその家族が恥をかく可能性があるのも忘れないでください。
派手な衣装や、結婚式ではタブー視されている衣装を着ると、周りから白い目で見られる可能性があります。「そんなの私は大丈夫だよ!気にしない!」という人もいるでしょうが、その周りからの白い目は新郎新婦や親族などにも向けられるのです。
「新婦のお友達に〇〇な衣装を着ている子がいたわよね」「あんな友達がいるなんて、恥ずかしく思わないのかしら…」
そんな言葉が新郎新婦を苦しめることになったら、どうでしょうか?彼らのメンツを保つためにも、自分の個性をぐっと堪えることも大切かもしれません。また、いくらか譲歩して常識の範囲内で個性を発揮することを選びましょう。
夜は多少露出があっても問題ありません。しかし、中には、見ている人が恥ずかしくなるほど露出している女性も少なくないのが現状です。
実際に体験談として話してくれた人の中には、「全然痩せていないのに、自信満々に太ももを出していて、見苦しかった」という感想を述べる人もいました。
人の美しさの定義はさまざまですし、太っていたって露出をしてはいけないわけではありませんが、結婚式は新郎新婦が主役です。悪目立ちは、参列者のマナーとしてはいいことではありません。
男性の中には、黒のスーツなどを結婚式の衣装に選ぶケースがありますね。白いネクタイさえしていれば、結婚式でも着ることができる黒スーツは多いです。
しかし、女性の場合は、どんな場合も黒スーツは避けるべきでしょう。男性の結婚式の衣装をそのまま女性が着たとしても、それはあまりいい印象を抱いてもらえません。
セクシャリティなどの個人的な理由があって着る場合は問題ないですが、特別な理由がない限りは、女性はドレスを着用するのがフォーマルな場所での基本マナー。「リクルートスーツしかないから」という理由も通用しませんのでご注意ください。
海外にはさまざまな民族衣装があります。例えば、韓国ならチマチョゴリなどの派手な色を使った衣装が結婚式の定番です。しかし、それを日本人が選んで着ることは、下手をすれば「場違いな派手な衣装」「仮装パーティーなの?」といわれる可能性もあります。
もちろん、本国人が自身の国の衣装を着るのは問題ありません。しかし、わざわざ日本人が海外の民族衣装を身につけるのは、”仮装”などと思われても仕方がありません。新郎新婦がドレスコードに指定してくるなどの特別な理由がない限りは、海外の正装を選ぶことは避けましょう。
さて、ここまでNGな衣装のコーディネートについて触れてきましたが、「それならどんな衣装を着ればいいの?」と悩んでしまっている人も多いでしょう。コーディネートに困っている人に参考となる、ドレスのテクニックをここでは触れていきたいと思います。
短い丈の上着を羽織ったようなスタイルになるボレロは、パーティースタイルの定番です。きちっとした印象にもなり、着心地も楽。ストールやショールのようには落ちてしまったり、いちいち結ぶ必要などもないので、気楽にファッションに取り入れることができます。
結婚式披露宴では、チャペルと披露宴場を移動したり、食事をしたりして着崩れが気になることも。なかなかトイレに立つこともできないので、着崩れのしないボレロはとてもおすすめです。
ボレロを合わせるなら、ハイウエストのワンピースなどにすると、女性らしいシルエットもアピールできておすすめです。フリルなどがついたデザインや、コサージュなどがついたデザインなどを選んで、華やかに決めましょう。
結婚式の後は二次会に参加するという人もいることでしょう。結婚式と二次会と別々の衣装を用意する人もいますが、荷物もかさばり、着替えるのも手間ですよね。
この場合、結婚式でも二次会でも使えるワンピースを着て、ショールなどの合わせるアイテムで印象を変えるのがおすすめのテクニック。
例えば、結婚式はワンピースを着て、大きめのショールを合わせます。胸の前にブローチなどを付けて、上着のようにコーディネートするといいでしょう。
二次会が始まったら、今度はショールを外してワンピースだけで出席します。もし、荷物に余裕があれば、ショールの色を変えたり、パーティーバッグを変えたり、アクセサリーを変えるなどして、小物で印象を調整するといいでしょう。
シンプルめなワンピースしか持ってない…と落ち込む必要はありません。ファッションのベースとなるワンピースが少し地味でも、存在感のあるネックレスを重ねたり、華やかなバッグと合わせたりすれば、全体のコーディネートも派手な演出にすることができます。
色味についても同じです。ベースは地味なカラーのワンピースでも、バッグに色彩豊かなものを選んだりすれば、全体の印象はピリっと引きしまり、結婚式に相応しいコーディネートになるでしょう。
結婚式は、友人として、親族としてなど、さまざまな立場で参列することがあります。ここでは、その立場の違いと衣装の選び方のマナーを学んでいきましょう。
友人として結婚式に参列するなら、基本的なマナーを踏まえさえすれば、色や雰囲気などを限定されることはありません。ただし、大人としてきちんとしたいのであれば、やはり周囲にどんな印象を与えるか、配慮した方がいいでしょう。
前述の通り、友人の衣装がマナー違反だったせいで、周囲の参列者から新郎新婦が陰口を叩かれてしまうというケースもなくはありません。最低限のマナーは守り、結婚式を華やかにする手助けをする。こういった姿勢をきちんと踏まえておきましょう。
世代によっては、友人の結婚式にしか参加したことがないという人も多いでしょう。現在の若い世代では、服装のマナーにうるさくなかったり、1.5次会などのカジュアルさのある式では、お洒落重視の衣装でも大丈夫なケースも多いです。
しかし、それはそれだと心得る必要があるでしょう。
友人として参列する結婚式であれば、多少のマナー違反は目をつぶってくれるかもしれませんが、これが親戚関係であれば話は違います。親族が衣装のマナー違反をすれば、大きく問題視されることもあるのです。
親族として参列する際は、とにかく印象のいいものを選びましょう。ベージュカラーでサテン生地のもの、パステルカラーのドレスなどがおすすめです。
奇抜な色や、赤や青などのきつい色を選ぶのも、親族としては相応しくない可能性がありますので、避けたほうがいいでしょう。
中には、結婚していない人、結婚している人という2つの女性がいると思います。未婚のときと同じドレスを着ている…という既婚女性は、ぜひ、こちらの常識も抑えておきましょう。
基本的には一般的な結婚式衣装のマナーを抑えおけば問題ありません。ただ、和装をする場合は、未婚の女性は振り袖を着ますので、その点は配慮しておきましょう。振り袖は第一礼装なので、和装でもいいという方は、一番マナー違反の可能性がない結婚式衣装ということもできるでしょう。
既婚女性の場合は、基本の結婚式衣装のマナーを踏まえるだけでなく、少し大人っぽさのある衣装を選んだほうがいいと言えます。イブニングドレスやアフタヌーンドレスなど、スカート丈が長いものを選ぶといいでしょう。色も、黒以外のシックなもので、かつ、華やかさもあるものがおすすめです。
和装の場合は、既婚女性の場合は黒留袖を着用しますね。こちらも、既婚者の第一礼装です。華やかな色を選びたい場合は色留袖もいいですが、地域や人によっては、「既婚者は黒留袖がルール」というのが常識という場合もありますので、注意しましょう。
いかがでしたか?結婚式にはいつも同じドレス…という女性もいるかもしれませんが、同じゲストでも立場が違えば衣装を変える必要があります。結婚式は祝福の気持ちを伝えることが一番なので、個性を発揮したい!と張り切るよりは、ある程度無難に、控えめなドレスを選んだ方がいいかもしれませんね。もちろん、最近はカジュアルな結婚式もあるので、状況によって臨機応変に変えるのが一番ステキな着こなしと言えるでしょう。