結婚式の遠方ゲストへの交通費や宿泊代は「お車代」と呼ばれ、できることなら全額負担したいところですが、予算の都合上難しいなら半額や一部負担をするのがマナーです。
絶対NGなのが、当日まで何もお伝えせず結局負担しないというパターン。
すべてのゲストに家に帰るまで気持ちよく過ごしてもらうため、おふたりからの常識的な配慮が欠かせません。
また遠方ゲストにはお車代だけでなく、式場選びや席次などさまざまな気配りが必要です。
ゲストに喜んでもらえるポイントを詳しくご紹介します。
目次
遠方からのゲストを招くなら、欠かせないのが式場までのアクセスチェックです。
特に新幹線や飛行機からの乗り換えやシャトルバスがあるかどうかなどゲスト目線で確認して、式場選びの基準の一つとしましょう。
車で来ることが想定できるゲストがいるなら駐車スペースや料金なども確認します。
もし挙式会場と披露宴・披露パーティの会場が離れているなら、移動手段を用意できるかや時間も考慮します。
神前式だと親族のみで行うのが一般的なので注意しましょう。
宿泊を考えると一番安心なのはホテルですが、レストランやゲストハウスでのウェディングも人気ですから宿泊場所は新郎新婦側で場所や移動手段について、フォローしていきましょう。
※費用負担をどうするかは後でくわしくご紹介しています。
結婚式の開始時間もかなり重要です。
特に日帰りする中距離からのゲストがいる場合は、午後の時間帯をスタートにして帰りの時間も余裕のあるスケジュールになるように配慮しましょう。
逆にいえば午前中の式にすると、前泊になるゲストが増えるので、午後開始の挙式やパーティーにすることも節約ポイントの一つです。
前泊だと結婚式当日に荷物をどうするかも、ゲストが負担に感じるポイントです。
先にチェックインできるなら問題ありませんが、駆けつけてすぐに参加する時間帯になりそうならクロークがあるか、スーツケースやキャリーバッグなど大きな荷物を預けても大丈夫かなど確認して、案内しておきましょう。
周辺の観光情報やおすすめのお店などをお伝えしておくのもいいですね。
POINT
前泊の遠方ゲストへ、到着した時に電話などでお礼と2次会の情報を伝える、といった配慮をすると印象がよいものです。
招待状の発送がだいたい2か月前なので、3カ月前には遠方ゲストの旅費負担について決めましょう。
・交通費&宿泊費すべて自己負担
この場合、宿泊はまとめて予約をとりおふたりが精算することをゲストにもホテル(宿泊先)にも伝えておくことになるでしょう。
交通費はチケットを手配して送るパターンや当日お車代を渡すパターンがあります。
・一部負担
交通費か宿泊費のどちらかを負担する、交通費だけ発生するときは片道交通費分(半額)負担する、一律〇万円負担、といったパターンです。
(一部負担の目安)東京会場の場合
東海圏なら5,000円のお車代、近畿圏なら半額か1万円とした先輩カップルが多いです。
女性の遠方ゲストの場合は、ヘアメイクや着付けなどを式場内や宿泊のホテル内でできるように配慮することも必要です。
または式場近くの美容室を予約してあげるなど。
知らない場所での美容室探しは困るものなのでぜひ予約してあげたいですね。
予算があれば費用まで負担してもいいですが、それが難しいならばきちんと伝えましょう。
またヘアメイクや着付けの場所は、相手(ゲスト)からはお車代以上に言い出しにくいものなので「ヘアメイクを式場内の美容室でする?予約しようか?」などこちらから聞くと良いでしょう。
式場と少し離れた美容室なら、アクセスも確認してお知らせすると丁寧です。
会場までの地図は基本的に招待状に同封します。
遠方ゲストには事前にお車代をどうするか電話やメールなどでもお伝えしているかと思いますが、招待状にも小さなカードなどへ内容を記載して同封しましょう。
このたびは遠方よりお越し頂くため 心ばかりではございますが、当日お車代を用意させて頂きたいと存じます。
結婚式当日の新幹線チケットを同封いたします。お気を付けてお越しくださいませ。お会いできる事を楽しみにしております。
このたびは遠方よりお越し頂くため、何卒ご祝儀等のお心遣いはなさいませんようお願い申し上げます。
披露宴の場合は「祝儀袋」に毛筆か筆ペンで表書き「御車代」として用意します。
1万円以上包む時は祝儀袋、1万円以下であればポチ袋でもOK(表書きは「お車代」)です。新札で準備しましょう。
親からあいさつを兼ねて渡すか、受付でお渡しします。
1.5次会でも同じように準備しても良いですし、もっとさりげなく「手紙」のようにして渡すという方もいます。
この場合は、お車代が出ないゲストに対して「私はもらってない!」と思われないための配慮です。
遠方から一人で参加しているゲストの隣には、年齢の近い人や人あたりの良い人にして事前に話しかけてもらうようにお願いをしておくなどして、全員が楽しく過ごすことができるように席次でも心を配りましょう。
POINT
久しぶりに会う遠方ゲストとうっかり話し込んでしまう、なんて実はマナー違反です。全てのゲストがおふたりのために集まってくれたのですから、一部のゲストと話しこむことはやめましょう。
引き出物は披露宴への出席を感謝してゲストに贈る品物で、数は奇数が縁起が良いといわれています。3品や地域の慣習によっては5品、7品などあるところも。
ただし引き出物の数が多い、かさ張るものや思いものだと遠方ゲストには負担です。二次会への移動も大変ですね。
遠方ゲストが多いならカタログギフトがおすすめです。最近では引き出物を後日宅配してくれるサービスもあります。
そうはいっても地方によっては、引き出物の数や、どれだけ引き出物が重いかが重要視されたりするところもあります。
この場合は事前にゲストへ説明があると良いですね。
招待状のなかにメモを添えたり、メールやLINEで伝えるなど配慮するだけで、ゲストの心がまえが異なります。
また式場やホテルに宅配カウンターがある場合は案内するといった配慮もいいでしょう。
自分の出身地で行う結婚式の場合は特に意識したいですね。
引き出物は基本は1世帯に1セットお渡ししますが、地域差がありますし、夫婦からふたり分にあたるお祝いをいただく場合などはそれぞれお渡しすることもあります。
失礼のないように準備しましょう。
1.5次会という披露宴と二次会の中間のような披露パーティスタイルが増えています。
会費制にするとゲストにもおふたりにも費用負担がとても楽になります。
そのため披露宴にして遠方ゲストを多く呼ぶより、今いる場所&地元でも会費制1.5次会をひらくという方法も検討してみてはいかがでしょうか。
レストランウェディングでこだわりのフルコースを用意しながら会費制とご祝儀制の併用、なんて1.5次会もできます。
親族の方には引き出物や引菓子を用意して、ご祝儀を頂いて友人たちは会費だけ頂いてプチギフトを持ち帰ってもらうという方法です。
多くの方々にお披露目したいおふたりにはおすすめの方法です。
リゾート婚に招待する&される時点で絆が深い間柄であることが多く、事前に遠慮なくお車代を話し合うようで、もやもやしたことになることは少ないものです。
しかし招待するおふたりの方から、お車代の話を持ち出すことは大事なマナーです。
交通費・宿泊費をゲストが負担にするかわりにご祝儀辞退にする、というのがよくあるパターンです。
例えば沖縄だと2泊3日となることが多いのですが、旅行がてらホテルパックなどの安いツアーをゲスト自身が探して手配したりも多いようです。
新郎新婦側で負担する場合、式場と同じホテルを利用したツアー商品を手配してチケットを送り、来てもらう方法もあります。
または当日、一律3万円~5万円のお車代をお渡しするといったパターンもあります。
海外リゾートウェディングの場合も、国内リゾート同様に交通費・宿泊費をゲストが負担にするかわりにご祝儀辞退にする、というのが多いものです。
ただし海外だと国内以上にゲストの負担も大きいものなので、現地での食事代はおふたりで負担する、などのプラスαを用意するようです。
なにはともあれ、招待を相談する時点でお車代の負担があるのかないのか、ある場合はいくらなのかをはっきりと伝えます。
また友人同士では差をつけないことも大切なポイントです。
結婚式はこれまでお世話になった方々に感謝の気持ちを伝えられる場で、人との絆を再確認する大切な時間です。
遠方からかけつけてくれたゲストへ、ゲスト目線の細やかな配慮はおふたりからの感謝の気持ちとして伝わります。
来てよかった!と思ってもらえるような素敵な結婚式になるよう祈っています。