結婚式に招待されたけれど、やむをえず欠席しなければならない場合、または招待されてないけれど、お祝いのメッセージを伝えたい場合には祝電がオススメです。いつ、どんな方法で電報を打てばいいのでしょう? そこで、この記事では祝電の正しい送り方をご紹介します。
結婚式に招待されたけれど事情があって出席できない、または招待はされていないけれど個人的にお祝いのメッセージを送りたいなど、結婚式に出席しない方が任意で送る新郎新婦への祝福を込めた電報のことです。
一般的に、披露宴の席で司会者の方から紹介されるものなので、祝電を送ることで「おめでとう」の気持ちを形にして届けることができるのが利点です。
普段から電報を打ち慣れている方って、あんまりいませんよね。
きちんと式の当日、目的の会場に着くか心配になります。そこで、余裕を持って祝電を送れるように必要な情報と手順をご紹介しましょう。
基本中の基本ですが、とても重要な情報です。新郎新婦に「祝電を送りたいから」と教えてもらうのも一案ですが、サプライズで祝電を送りたい方も多いかと思います。
結婚式に出席する共通の友人知人に聞くなどして、結婚式の日時と披露宴会場の住所を正しく確認しておきましょう。
結婚式の日程と会場が前もってわかっているならば、早めに手配しておくことが可能です。配達日の一ケ月前から申込みができ、早めに申し込むことで割引が適用される電報サービスもあるので、かしこく活用しましょう。
式の前日には会場に着くようにするのが一般的のようです。まれなケースではありますが、あまり早くに着いてしまうと会場側のミスで紛失してしまったということもあります。
ベテランウエディングプランナーさんいわく
当日到着にすると、式場の手違いや電報が届くタイミングなどによって、新郎新婦にうまくお渡しができないケースもあります。前日を目安に電報が届いていると確実ですね。
とのこと。前日をめどに日付指定して送るようにしましょう。
「祝電を打ち忘れてしまった!」という方は、午後に挙式がある場合なら、即日配達が可能な電報サービスもあります。万一の場合は、そちらも活用してみてはいかがでしょうか。
一般的には新郎新婦への二人宛て(連名)が望ましいとされています。
しかし、新郎新婦とあなたがどのような関係なのかによって、その規則に縛られることはありません。
新郎新婦どちらかとしか面識がなく、結婚相手の名前がわからない場合などはお一人宛てにしても失礼にはならないでしょう。
おふたり宛、おひとり宛に関係なく新婦の名前は旧姓で書くのが通例です。これは、結婚式は新郎新婦二人だけのものでなく、両家で執り行われるものという考えから。ただし、すでに入籍済みで婚姻期間が長く、披露宴出席者にも周知のことであれば結婚後の姓でもよい場合があります。
宛て先には、挙式や披露宴が行われる会場を指定します。住所に間違いがないか、よく確認しましょう。誤字脱字などのミスで届かなかったということがないよう、注意が必要です。
基本的な電報といえば、電話をかけてオペレータに電報文を伝え、メッセージカードとして送るもの。しかし、最近はそのカードの台紙を幅広い種類から選べたり、ぬいぐるみや風船を付けたりした変わり種電報も人気です。送る相手の好みや用途に合わせて、ベストな電報を選びましょう。
ごく一般的なメッセージカードのみの電報です。しかし、その台紙の種類はさまざま。
きれいな花柄やポップな動物柄のカードはもちろん、立体的なポップアップカード・和紙や西陣織・七宝焼き・押し花・刺しゅうのハンカチなど素材からこだわった多種多様なカードを選べます。
シンプルではありますが、おめでたい記念の品として保存しやすいのがいいですね。
いまや定番になりつつある、メッセージカードにぬいぐるみが付いた電報です。ディズニーやハローキティなど、ウェディング仕様のカップルぬいぐるみもあります。式場のウェルカムスペースに飾ってもらえば、グッと華やかさが増すことでしょう。
他にもリカちゃん人形や、有名キャラクターのぬいぐるみなど種類が豊富です。新郎新婦のお気に入りのキャラを選べば、きっと喜んでもらえるはず。結婚式が終わったあとは、新婚家庭に楽しい思い出のぬいぐるみとしてプレゼントできるところも魅力的です。
メッセージカードにバルーン(風船)が付いた電報です。卓上に置ける小ぶりなものから、ヘリウムガスが入った大きく豪華なバルーンまであります。バルーンの中にぬいぐるみが入った卓上型は長持ちしやすく、一カ月は同じ状態で楽しめます。
キラキラぷかぷか浮かぶヘリウムバルーンは存在感のあるオブジェのよう。披露宴会場から二次会まで、ハッピーな雰囲気を盛り上げてくれることでしょう。
ガスが抜けてしまうので楽しめるのは当日のみですが、一生に一度の晴れ舞台を華やかに演出できるため、送られて喜ぶ方は多いようです。
祝電サービスは進化の一途をたどっています。単なる電報の域を超え、もはやれっきとしたプレゼントといえるような面白い電報の数々をご紹介。
ご祝儀がわりのギフトカタログ電報、新婚夫婦の末永い愛を祈ったプリザーブドフラワー電報、大切な記念写真を収めるフォトフレーム電報、聴くだけで楽しい思い出がよみがえるオルゴール電報、幸せの象徴である真珠をあしらったパール電報、新婦をシンデレラに見立てたガラスの靴電報、さらにはマシュマロに直接祝福メッセージが印字された「食べられる祝電」まで登場!
面白くて楽しい祝電は、送られた相手にも強く印象に残るはず。新郎新婦の好みを考慮しながら、ベストなおもしろ電報を選びましょう。
せっかく祝電を送るのだから、「この人は心から私を祝ってくれてるんだわ」と感じてもらえるような、気の利いた文章を作りたいですよね。もっと言えば、「センスのいい人だ」と思ってもらいたいのが本音……。そこで、送る相手によってどのようなメッセージが適しているか、いくつか文例をご紹介します。
「○○ちゃんへ
結婚おめでとう。今日は出席できなくてとても残念。
けれど、幸せいっぱいに笑っている○○ちゃんの顔が目に浮かぶようです。ウェディングドレス姿、すっごくキレイだろうなぁ(*´艸`*)
中学・高校と放課後はいつも一緒にバスケ部の練習がんばったよね。やさしくて努力家な○○ちゃんだからこそ、こんなに素敵な旦那様に巡り合えたんだと思います。私も自分のことのようにうれしいよ~。本当におめでとう!!
末永くお幸せに❤」
友人宛てならば、普段の会話のような口語調でOK。自分しか知らない相手とのエピソード、学生時代の思い出話などを簡潔に一文いれるとよいでしょう。顔文字やハートマークを入れても問題ありません。読み上げるときはわかりませんが、式の後で見たら、ほっこりなごんだ気持ちになれるはず。
とはいえ、あまりにくだけた内容は結婚式という場にふさわしくありません。あくまで品性を保ちつつ、適度にやわらかな温かみのある文章に仕上げましょう。
「□□様
このたびのご結婚、本当におめでとうございます。
いつも丁寧にご指導いただき大変感謝しています。私が仕事で自信を失っていたときは、親身になって励ましてくださいましたね。仕事ができてやさしくて、職場のみんなから信頼されている□□さんは憧れの存在です。
これからもずっと公私共に私たちのお手本となる先輩でいてください。お二人の前途を祝し、末永いお幸せをお祈り申し上げます」
普段からの相手との関係性にもよりますが、結婚式というセレモニーの場なので、社会人としてある程度はかしこまった文体が望ましいでしょう。先輩や上司にいつもお世話になっているお礼をしっかり入れること、学校や職場での新郎新婦の人柄がよくわかるような一文を入れることがポイントです。
親近感をにじませながらも尊敬の念を払い、マナーに添った電報を送ることで新郎新婦の顔を立てるようにしましょう。今後の相手との関係もより円滑に進むに違いありません。
「◎◎さんへ
ご結婚おめでとうございます。
可愛らしい外見からは想像できないけれど、実は一本筋の通ったしっかり者の◎◎さん、きっと素敵な旦那様を見つけたのでしょうね。
部員みんなから好かれるムードメーカーで、バレー部では得意のディフェンスでチームを守り抜いてくれました。家庭も同じく明るい笑顔でしっかり守ってくれることでしょう。
二人仲良く幸せな家庭を築いてくださいね。困ったことがあればいつでも相談に乗ります。
どうぞ末永くお幸せに」
後輩や部下宛てのメッセージの場合、新郎新婦が学校や会社でがんばっている一面、活躍したエピソードなどを上手く盛り込みましょう。そういった面が、結婚生活においてどのようにプラスに働くか、さりげなくアピールするのがポイント。先輩や上司から信頼される人柄であることを、会場内の出席者に伝えられる内容が望ましいです。
こちらが目上の立場だからといって、過剰な上から目線やあまりにラフな文体は避けましょう。親しき仲にも礼儀ありです。かしこまりすぎず、祝福と激励を感じられる温かみのあるメッセージを心がけましょう。
祝電のメッセージは短すぎず長すぎず、一般的に80文字~300文字程度が目安です。
結婚式でのスピーチでよくいわれることですが、祝電でも使ってはいけないNGワードがあります。メッセージを作成する際は、おめでたい場にふさわしい言葉を選びましょう。
「切る」「切れる」「別れる」「離れる」「戻る」「戻す」「終わる」「破れる」「負ける」「出る」「出す」「去る」「帰る」「帰す」「返る」「飽きる」「滅びる」「苦しい」「壊れる」「冷える」「冷める」……など、別れや不吉なものを連想させる忌み言葉は避けましょう。
「かさねがさね」「たびたび」「しばしば」「再び」「再々」「色々」「さまざま」「なおまた」 「ではまた」「皆々様」「かえすがえす」「ますます」「次々」……など、再婚を連想させる重ね言葉も結婚式にはふさわしくありません。
気の置けない友人が結婚するのだから、なにか面白いメッセージで会場を盛り上げたい。そんな風に考えて、親しい間柄ならではのエピソードを盛り込もうとする向きがあるかもしれません。しかし、話題選びには細心の注意が必要です。
新郎新婦の過去の異性関係を連想させるもの、派手な夜遊びなどハメを外した思い出話はNG。披露宴には両家の親戚の方々や職場関係者がいらっしゃることをお忘れなく。ウケを狙いすぎて大切な友人の株を下げる結果にならないよう、エピソードはあくまでほっこりなごめるような楽しいものを選びましょう。
披露宴で紹介されるケースが多いので、新郎新婦との関係性がわかるよう、文章の最後には差出人である自分の名前と肩書を忘れずに書くようにしましょう。
職場の同僚や友人など、複数人で電報を送る場合は差出人をどのようにすればいいのでしょうか? 職場やサークルといった同じグループの場合は、「○○社営業部一同」「○○サークル一同」など「一同」として送るのがスマートです。
複数の友人で一緒に祝電を出す場合、あまり大勢だと司会者が名前を読み上げるときに大変です。代表をひとり立てて「有志代表○○」とし、その横に他の方の名前を書くのがよいでしょう。
ただし、結婚式に招待されたのに欠席する場合は、連名ではなく個別に祝電を送るのがマナーです。
NTTを始め、祝電を提供している電報サービス会社は多数あります。上記でご紹介した祝電の種類や用途を参考にして、ご自分に合ったサービスを選びましょう。
電報としてもっとも基本的なサービスです。電話で局番なしの115にかけ、電報文を伝えれば、その場でオペレータが応対してくれます。文字数によって料金が変わってきますが、祝電は一般に60文字は超えてくるため、NTTで申し込んだ場合、電報台紙料金と合わせて3000円前後が相場といえます。
電話ではなくインターネット限定の電報サービスです。メッセージ料金込みの場合が多く、文字数が増えても追加料金がないのが利点。1000円程度から受け付けている祝電もあり、NTTに比べてかなり割安な料金で送ることができます。
電報というより、メッセージカード付きのギフトといった形態に近いため、楽天市場などの通販サイトでも購入可能です。ぬいぐるみもバルーンも、高いものであれば一万円を超える商品があります。ある程度のクオリティを保つとすれば、5000円前後が相場といえるでしょう。
いかがでしたか?
普段なかなか打つ機会のない電報ですが、アナログな方法だからこそ祝福の気持ちを形として残すことができます。なにより、結婚式の祝電は特別なものですよね。
大切な友人や知人が喜んでくれるよう、正しいマナーを覚えて一生の思い出になるような素敵な祝電を送りましょう!