価値観の多様な現代社会において、結婚するかしないかは個人の自由です。多数派ではないかもしれませんが、結婚しないからといって、ダメだというわけではありません。
結婚しない理由としてよく耳にするのは、仕事を頑張りたい、独身だと気楽だからという意見です。しかし、他にはどんな「結婚しない生活を選ぶ」理由があるのでしょうか。独身男女の意見には身勝手さを感じる人もいるかもしれませんが、そこには実は、意外な理由も含まれています。
結婚しない人は、男女ともに共通している特徴があります。どんな特徴があるか見ていきましょう。
独身者の多くは、自由を愛している人が多いです。人に束縛されるのがとても嫌で、いくつかの恋愛経験のうちで相手に束縛された経験を持つと、特に自由を求めるようになります。
現代社会で働く人は、毎日が忙しいです。忙しい仕事を終えたら、自分だけの時間を過ごしてのんびりしたい…。そんなふうに思う人も多いでしょう。
最近では、SNSなどで人とすぐに繋がれますが、だからこそ一人の時間がとても貴重に感じるという人はいるかもしれませんね。
独身者の方は、一緒に食事をしたり、週末を過ごす友人がいる方が多い傾向にあります。社交的で、仕事帰りや週末は必ず誰かといるという人も多いです。孤独になる時間がないため、恋人がいなくても十分に充実した時間を過ごすことができ、結婚しようという気持ちが湧きません。
一方で、まったく社交性がなく、友人とは一緒に過ごさないというタイプの独身者もいますが、その場合は、自分が好きな趣味を持っているタイプが多いです。仕事以外の時間を趣味に没頭したいと考えるため、恋人と付き合うことで時間が割かれるのは嫌な人が多いようです。
独身者の中でも、一人暮らしが長く、仕事もバリバリこなすタイプの人は、支配欲が強かったり、すべてを思い通りにコントロールしたいと考える人が多いようです。
現場を仕切る仕事などをしている人は特に、自分の計算通りに物事が進むことを好みます。それがそのまま恋愛や結婚にも反映され、相手を思い通りにしたいと考えてしまうようです。
もちろん、それでもうまくいく場合もあるでしょうが、結婚生活となると相手だけではなく、子供や両親、親戚などが関わってきて、自分の思い通りになることは少ないです。
このタイプの方は、恋愛が上手くいかなかったり、結婚したくないと自分から思ってしまう人が多いようです。
これは女性に多いかもしれませんが、仕事が充実し、経済的にも自立していると、男性の手を借りなくても生きていけると思う人が多いです。もともと結婚に良いイメージを持っていなかったり、仕事を頑張りたいと思っている人は、特に、結婚の必要性を感じないケースがあります。
女性も男性も、「仕事も貯金もある」と思うと、将来への不安もいくらか軽減されます。そのため、「独身のままでいいや」と思ってしまうようです。
次の項目では、結婚しない人の特徴を男女別に触れていきたいと思います。
結婚しない男性には、どんな特徴があるのでしょうか。
男性の場合は、仕事が楽しかったり、趣味があったり、夜遊びをする独身生活が気に入っていたりと、今の生活から変わらないことを願っている人が多いようです。
また、潔癖症の人も多く、どんなに女性が魅力的に思えても、肉体的接触ができないタイプの人もいます。潔癖症のタイプの人は、人が作った料理などを食べられないという人もいて、女性に料理を作ってもらうことに幸せを感じないという人もいるようです。
他にも、女性よりも男性の方が料理や掃除、家事などが得意で、女性に身の回りの世話をしてもらう必要がなく、結婚に憧れないという人もいます。
結婚しない女性にはどんな特徴があるのでしょうか。
女性の場合、先にも触れたように、経済的に安定していれば彼氏はいらないという人は多いようです。仕事のキャリアを重ねていくことに幸せを感じたり、自分で稼いだお金で贅沢をしたり、独身でも十分満足できます。
もしかしたら、結婚はとても素晴らしいことかもしれませんが、独身の時点ではその良さを実感できていません。仕事はすでに満足感を得ているため、今の時点で幸福感を得られる方を選ぶのかもしれません。
また、恋愛経験でいい経験がないと、男性との付き合いを知らず知らずに避けてしまっていたり、恋愛が面倒になってしまうケースもあります。
さて、独身男性・独身女性の特徴を見てきましたが、中には、「独身を選んだのではなく、ただ結婚できないだけじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
結婚したくないのか、結婚できないのか、気になる人もいるでしょう。もしかしたら、独身の方の中には、「自分は結婚したくない」と口ではいいながらも、なかなかいい相手に巡り合わないと悩んでいる方もいるかもしれません。
このタイプの人は、「結婚したくない」タイプに分類できます。結婚したら、お金や時間の自由が制約されるのはある程度しかたないのが現実です。自分で稼いだお金も、仕事以外の時間も、すべて自由に使いたいと思う人は多いでしょう。
妻や夫、子供やその他の家族と暮らしていると、趣味に干渉されることもあるでしょう。家事をするパートナーを横目に遊びにいけないなど、なかなか思い通りに時間を使うことはできないでしょう。
20代、30代は、仕事を頑張りたい時期でもあるでしょう。現在では転職も珍しくなく、転職したばかりの時期では、「まだ結婚はできない…」と感じる人もいると思います。
また、仕事を始めて数年が経てば、いよいよ仕事が楽しくなる時です。もっと頑張ろうと思えたり、キャリアアップを目指し、スキルアップを目指す人もいると思います。将来的には結婚したいと思っていても、「今は結婚できない」と考える人はいるようです。
もともと家庭に興味がなかったり、子供が好きじゃないという人はいるでしょう。また、自分のことだけでも精一杯なのに、人の生活を支えるなんて無理だ…と思う人もいるようです。
仕事や自分の家族のことだけを考えたかったりすると、新しい家族を作ることは考えられないこともあるでしょう。結婚して子供ができれば、子供の将来のことについても考えなければいけないため、それが不安だったり、負担だったりするのかもしれません。
男女ともに、経済的に自立していると、パートナーを必要としないタイプの人は多いようです。人とのふれあいは友人がいれば十分!と感じている人も多く、将来に不安をいだきません。
このタイプの人は、「結婚したくない・できない」というよりは、「結婚に対してきちんと考えていない」というタイプも多いです。周囲から「結婚は?」などと尋ねられるのがうっとうしくて、結婚を考えることから遠のいている人もいます。
独身者の中には、結婚制度を利用せず、内縁の夫婦のまま暮らすカップルもいます。海外などでは、結婚をせずに内縁のままでいることもあるので、日本では珍しいかもしれませんが、世界的には不思議な関係性ではないようです。
内縁のままでいる理由は、人によってさまざまです。これも、多様性の一つと考えることもできるかもしれません。
また、恋人はいても、同性愛者や性同一性障害などで結婚制度を事実上利用できないカップルもいます。海外で結婚式だけを挙げる人もいますが、戸籍上は他人ということもあります。
最近では東京都の渋谷区がパートナーシップ制度を利用できるようになりましたが、「結婚」とは制度上別のものですので、結婚制度を利用できない人たちは、「結婚したくてもできない」という状況と言い換えることができます。
歴史的に、男性が収入を得て、家族を養うというステレオタイプな考え方がまだまだ日本にはあります。そのため、経済的に苦しい男性の場合は、「自分の給与ではまだまだ結婚できない」と、結婚を考えない人もいるのが現実です。
確かに、収入が少ないと、パートナー探しも難しい傾向にあります。「結婚したくてもできない」のが現実には多いでしょう。この他にも、自分は結婚する資格がないと、結婚を諦めている人もいます。
男性も女性も、異性との付き合いが苦手だという人は多いです。学生時代に共学ではなかったり、周囲に同性ばかりがいる環境だと、異性との付き合いが苦手になる人はいるかもしれません。
また、仕事現場に同性しかいないと、出会いもなく、異性と出会っても何を話していいのかわからなかったり、緊張して不安になったりしてしまう人もいます。
その他にも、過去の異性との交友から、異性が苦手になるという人もいます。男性が怖い女性や、女性が怖い男性なども、中にはいるといいます。
人を養えるだけの給与がないという人もいますが、そもそも、給与が少ないと結婚相手も見つからないのではないかと、はじめから相手を見つけない人もいます。
お見合いや婚活などでは、ある程度年収を書いたり、職業を書いたりして相手に自分のプロフィールを伝えます。仕事がなかったり給与が少なければ、お見合いや婚活をするのも気が引けるでしょう。
しっかりとお金を稼いでいる人でも、浪費癖があり、貯金がまったくない人もいるようです。結婚にはお金がかかるため、ある程度の貯金は必要です。全く貯金がなかったり、浪費癖があることに勘付かれてしまえば、恋人は別れを切り出すかもしれません。
一緒に生活をする相手に浪費癖があることは、結婚生活のリスクになります。しかし、この浪費癖は、なかなか止めることができるものではありません。そのため、「自分は貯金がない」「浪費癖がある」という場合は、「自分は結婚に向いていないんだな」と、諦めてしまう人もいるようです。
家事は女性の仕事という概念は古いものとされていますが、結婚したらどちらかが家事はやらなければいけないものです。男性ができないのは許容されることも多いですが、女性は家事が苦手だと、「結婚には向いてないかも」と、自分から諦めてしまう人も多いようです。
掃除や洗濯は、だれでもある程度行えますが、経験を積まなければなかなかうまくならない料理は、まったくできない人には負担なもの。負担の多い料理やその他の家事をしなければいけないと思うと、結婚が遠いものに感じられて、自ら結婚を考えない人もいるようです。
家事ができなくても、「お金を稼いで家政婦さんを雇えばいい」という考えもあるかもしれません。「旦那さんが家事をやれば問題ない」という意見もあるでしょう。
結婚を諦めてしまっている人は、その理由があるとしても、それが原因で自分に自信がなかったり、自分には魅力がないと、改善しようとしない人が多い傾向にあるようです。
しかし、結婚を諦めている人は、何かのきっかけで結婚しようと思うこともあります。自分を受け入れてくれる人がいればそれが自信となり、一気に「結婚したい」と結婚願望が芽生えるケースもあるでしょう。
「結婚できない」と言われると、結婚に不適合な人を示すことが多いような気がします。しかし実は意味が違って、「見合う相手が見つからないから結婚できない」という理由の人もいるようです。
例えば、ある高収入の女性は、自分より収入のある男性と結婚したいと心に決めていて、その結果、なかなかいい相手に巡りあえず、「結婚できない」と答えていました。
もっと視野を広げれば、結婚して幸せになれる可能性があるのに、自分で「相手はこういう人でなければ」と決めつけて、厳しい結婚相手の条件を押し通しているのです。
もちろん、これは個人の自由ですし、理想なのであれば仕方がありませんが、例えば、女性が1000万円の年収であれば、1000万円以上の男性を探すのはとても難しいでしょう。
このような条件を抱える人は、「良い相手がいなくて結婚できない」と思っているかもしれませんが、少し対象とする相手の条件を広げれば、すぐに「結婚できる」人になります。もし、今同じような人がこれを読んでいるなら、結婚相手の条件を変えてみることも必要でしょう。
これは性別に限ったことではありませんが、マザコン・ファザコン傾向にある方も、「結婚できない」タイプが多いようです。「母や父のような素晴らしい相手に出会えないなら結婚しない」と決めている人も中にはいるといいます。
理想の相手が側にいると、なかなか同じような人、または、それ以上に素敵な人に出会えることは確かに難しいでしょう。そもそも、親が一番ですので、恋愛はおろか、結婚生活で相手を一番に思いやるのは難しいかもしれません。
両親の仲が悪い、離婚しているなど、結婚=幸せとは感じられないモデルタイプが周囲にいると、結婚に憧れを抱かなくなるようです。
確かに、両親が毎日夫婦喧嘩している姿を見て育てば、結婚が幸せとは思えないでしょう。また、「自分も両親と同じように、子供に夫婦喧嘩を見せるかもしれない」と思うと、それだけでも、結婚が怖く感じる人もいるでしょう。
もちろん、夫婦喧嘩の多い夫婦の子供が、必ず結婚に憧れを抱かないわけではありません。しかし、悪い影響を受けてしまうのも事実です。
このタイプの人には無理に結婚を勧められるよりも、色んなスタイルの夫婦の形があること知ったり、仲の良い夫婦を実際に目の前にすると、考えが変わる可能性があります。
「自由」を理由に結婚しない人は多いようですが、これまで頑張ってきた仕事を大切にする気持ちが強かったり、変化を恐れる気持ちが強く、結婚を考えられないだけかもしれません。
しかし、人はいつ素敵な出会いがあるかはわからないもの。結婚によっていろんな経験ができ、成長できるというメリットもあります。あまり決めつけず、「素敵な人がいたら結婚しよう」くらいに構えておくことも必要かもしれませんね。