おふたりで結婚を決めたら、そこから男性にはさまざまな場面で挨拶することが求められます。
「苦手で…」なんて言ってられません。一生に一度のことだからこそ、きちんとキメてもらいたいですよね。
最も大切な「親への結婚の挨拶」から「両家の顔合わせ食事会の挨拶」そして見逃しがちな「挙式当日の親族紹介」まで、それぞれの流れや心得をご紹介します。
両親への結婚の挨拶に伺う場合、事前におふたりでどんな流れにするのか、どんな挨拶の言葉にするのか、何を話題にするのかといったことをきちんと相談しておきましょう。
一般的な流れを把握してシミュレーションしておかないと、男性側が緊張のあまり玄関先で手土産を差し出したり、唐突なタイミングで結婚のあいさつをしたり、といった失敗をしてしまうことになりかねません。
おふたりで結婚の意志を固めたら、まずは自分の親に「結婚したい人がいるので会ってほしい」と伝え、それから日時を調整し、ふたりそろってそれぞれの家へあいさつに伺います。
昔は男性の方が先に女性側の家へあいさつに伺うのが一般的でしたが、最近ではそれぞれの都合にあわせて順番を決めているようです。
また家に訪問するのではなく、レストランの個室などへ両方の両親を招いて挨拶することも増えています。
どちらかの実家が遠方でも、できるだけ訪問すると印象アップです。
必ず3,000円~5,000円程度の手土産を用意しましょう。
消えもののお菓子やお酒などにしますが、切らなくてはいけないものは避けて、地元の銘菓や名産品などにします。
時間に遅れず訪問したら、まずは迎えてくれた親へ玄関でしっかり挨拶します。ここでは名前を名乗り、時間を頂いたお礼を述べます。
男性が女性の家に伺うときは、自分から積極的にあいさつし、逆の場合は男性から紹介されてからあいさつする方が印象が良いものです。
部屋に通されたら座る前に、手土産を両手でお渡しします。
今は「つまらないものですが」というあいさつはNGだといわれますので、「美味しいと評判でしたので」や「お好きだと伺いましたので」という言葉をそえて差し出しましょう。
それから勧められた席か、指定されない場合は下座(入口に近い席)に座ります。
まずは自己紹介からです。名前、年齢、出身地、仕事などを話します。
どちらの家にうかがった場合でも、姿勢を正して男性から真剣な交際をしていること、そして結婚の意思を伝えます。
男性に続いて女性もあいさつをします。
男性であれば「〇〇さんと真剣な交際を続けてまいりました。ぜひ結婚させていただきたいと思っております。
お許しいただけますでしょうか。」などあいさつします。
女性は男性宅で「〇〇さんと真剣な交際を続けてまいりました。どうぞ末永くよろしくお願いいたします」などと
あいさつします。
お酒をすすめられたら遠慮しすぎることなく、ただし飲みすぎることなく頂きましょう。
自分の家族のことなどをここで積極的に話すとよいでしょう。
女性の場合は頃合いをみてお手伝いを申し出て、でしゃばらずに相手の母親の反応で動きましょう。
訪問したら2~3時間程度ではおいとましましょう。時間をつくって頂いたお礼と「今後ともよろしくお願い
いたします。」とあいさつして退席します。
帰宅したら電話でもお礼を述べ、1週間以内には届くようにお礼の手紙を書きます。
男性の結婚挨拶の服装は、基本スーツとします。
もしも事前に女性側の親から「堅苦しいからスーツは着てこないで」と言われた場合だけ、襟付きシャツ、ジャケットにチノパンなどの清潔感とカチっと感のあるカジュアルスタイルにしましょう。
自己判断でカジュアルにするのは辞めましょう。よく知っている間柄でもこの日はかっちりとしましょう。
どんなに暑くてもジーンズやTシャツは絶対にNGです。
髪も清潔感を一番に、明るすぎる茶髪などは暗く染め直すなどの配慮をします。
ハンカチもしっかり持って、靴もしっかり磨いて準備します。くれぐれも靴下は事前にチェックして、ほつれや穴あきなんてことがないようにします。靴下は新調するのがおすすめです。
男性の結婚挨拶のポイントは「結婚を認めてもらいたい!」というスタンスです。
ですから挨拶の言葉は「結婚させていただけますでしょうか?」がおすすめです。
くれぐれも「僕たち、結婚します!」と言い切らないこと。かといって何が言いたいのかわからないのもだめです。
結婚という言葉を使い、承諾を求めましょう。
昭和には定番だった(?)セリフ、「お嬢さんを僕にください。」は今では不愉快に感じる親御さんもいらっしゃるようです。避けておくのが無難です。
相手の両親の呼び方もいきなり「お父さん、お母さん」はやめた方がいいでしょう。
彼女や彼のことも「さん」づけにして「〇〇さん」のお母さん、お父さんと呼びましょう。
敬語の使い方など自信がない人は、会話を想定しておふたりでシミュレーションして練習しておくのがいいですね。
両親への挨拶のときに、結納をするかしないか、入籍や結婚式といった話までするかといった点は迷うでしょうが
しない方がおすすめです。
両家で意見が異なる場合もあるので、その日にせずに後日それぞれの家の意見を聞き取りながら、調整して進めていくようにしましょう。
結婚に反対されたら、反対している理由をしっかり確認しましょう。
そしてチャラチャラしているといった印象のせいだったら、兄弟姉妹などを味方にしつつ「誠意のある人」だということをわかってもらう努力をしていきましょう。
ただし反対もやむを得ないような理由もあるかと思います。その場合、親を押し切って結婚する人は1割もいません。(※)
結婚後、困ったときに親に頼れないなんて不安なものです。
子どもの幸せを願わない親はいませんから、親に納得してもらってから結婚できるようにもっていく方がおすすめです。
※マイナビウーマン調べ
親御さんによっては何かと日柄を気にする方もいます。
そんな場合のために、六曜をおさらいしましょう。結婚式の日取りを決めるのにも役立ちます。
「大安」一日吉です。大いに安し(やすし)、ですね。
「先勝(せんしょう)」午前吉、午後凶です。
「友引(ともびき)」午前と午後ともに吉、正午が凶です。友引とは凶事に友を引くの意味です。
「先負(せんぷ、さきまけ)」午前は凶、午後が吉です。
「赤口(しゃっこう、じゃっこう、じゃっく)」正午が吉、午前と午後が凶です。
「仏滅」は一日凶です。
結婚のご挨拶ですから必ずしも吉日というより、都合優先で決まることが多いようですが、どうせなら縁起の良い日を選ぶといった気配りも素敵ですね。
最近では結納をせずに、両家の顔合わせの食事会を行うカップルが増えています。
その場合は男性本人が仕切ることになるのがほとんどです。
当日の流れと基本の挨拶を押さえておきましょう。
①あいさつ:集まって頂いたことへのお礼、会の趣旨を述べます。
②乾杯:ここははじめの挨拶に続けて、簡単にいきましょう。「それでは僭越(せんえつ)ですが私が乾杯の音頭をとらせていただきます。乾杯!」
または「どうぞごゆっくり食事をお楽しみください。乾杯!」もいいですね。
③家族紹介:男性側の家族から一人ずつ紹介します。各人が自己紹介しても雰囲気があたたまります。
④婚約記念品の交換(お披露目):婚約記念品があればこのタイミングでお披露目するとよいでしょう。
⑤会食・歓談:コース料理を予め頼んでおくと安心です。子供のころの話や家族の話を中心に楽しく盛り上げましょう。
⑥結びの挨拶:本日のお礼、おふたりの今後の抱負、今後のおつきあい&サポートのお願いなどの挨拶で締めます。
個室にしている場合が多いでしょう。部屋に入って全員が着席したタイミングですぐに始めた方が間延びせず良いようです。
「本日はお忙しいなか私たちふたりのために集まっていただき、ありがとうございます。私〇〇と△△さんの婚約報告と、両家の家族紹介、そして親睦を深めたいとこの食事会を設けさせていただきました。どうぞよろしくお願い致します。」
終わりの時間が近づいたら、締めの挨拶です。
「宴もたけなわですが、そろそろお時間です。本日はどうもありがとうございました。これからふたり力をあわせて結婚式を迎え、また長い人生をともに歩んでまいりますが、至らぬ点も多いかと思います。これからもどうか温かく見守り、ご指導いただけますようよろしくお願い致します。」
結婚式の当日に行われるのが親族紹介です。挙式の前か、挙式と披露パーティの間のどちらかで行われることが多いです。
親族控室に集まり、新郎の父親か新郎ご本人が挨拶をして紹介に入ります。
新郎側、新婦側それぞれ親等の近い順に並び(着席している場合もあります)、新郎側から紹介していきます。スムーズにいけば10分ほどで終わります。
「新郎の〇〇です。これより親族の紹介をさせていただきます」とはじめ、「父の□□です。・・・」と紹介していきます。身内の紹介には年上の方でも敬称はつけません。
短い時間でスムーズにすませたい場合は代表者が紹介しますが、自己紹介にするパターンもあります。
初めて親族同士が顔をあわせますので、和やかな雰囲気をつくっていきましょう。
ただし馴れ馴れしくしたり、一人の方と長話をするのは禁物です。
親族といっても久しぶりに会う方などもいるときは、事前に続柄・名前・紹介順などをしっかり予習しておきましょう。リストを作っておく方もいます。
両方の紹介が終わったら「今後とも幾久しくよろしくお願いいたします」といった結びの挨拶をし、一同で礼をして終了です。
終了したらくつろいで歓談しましょう。
場合によってはそのまま記念撮影に移ることもありますが撮影に移ったら、スタッフやカメラマンの指示に任せましょう。
結婚することが決まったら、一人前の社会人としてきちんと挨拶をする機会が増えます。
こうしたステップをこなしていくことで、自立して家庭を持つおふたりへと着実に成長していくのでしょう。
本番では予想外の流れや雰囲気が出るものと考えていろんなパターンをシミュレーションしておくことをおすすめ
します。
練習を積んでおけば、落ち着いてアドリブ対応も行えるはず。
新しく家族になる方々に「人となり」が伝わる結婚の挨拶、気を抜かずに頑張りましょう♪