結婚式の招待状の返信にはルールがたくさんあります。自己流で返信してしまうと、それはルール違反になってしまうかも! ここでは、出欠に◯を付ける前に知ってほしい招待状の返信マナーと、「こんな時どうしたらいい?」のトラブルQ&Aをご紹介します。
A.結婚式への招待状、どんなふうに返信すればいいのという方、多いですよね。ここでは、基本の返信マナーをご紹介しましょう。
結婚式の招待状は、返信期限が書かれていることがほとんどです。そのため、その期限内に郵送すればいいと思いがちですが、マナーとしては、より早く返信するのがベター。目安としては、招待状到着から1週間以内に返信するようにしてください。
結婚式の招待状は多くの場合、突然送りつけられることは少ないです。直接会って手渡しするか、事前に電話をし、出席する可能性がだいたい把握できている場合に送付されます。
そのため、「口頭で出席することを伝えたから大丈夫」と、送らないのはマナー違反。式場が出席者をまとめるのに活用することもあるので、なるべく早く招待状を返信し、新郎新婦が円滑に準備を進められるようにしてあげましょう。
不祝儀な場で使われる薄墨を使用するのは、絶対にやめましょう。 “必ず”というわけではありませんが、返信をする際には万年筆や筆ペンを使用すると丁寧。ボールペンも間違いではありませんが、黒々とした万年筆のインクや筆ペンの印象は、おめでたい結婚式の招待状の返信として適しています。
招待状の出欠を記載する欄。当てはまる方に○を付けるのはもちろんですが、当てはまらない方にも打ち消しの二重線を引きますよね。このとき、ササッとフリーハンドで消してしまいそうですが、ここではなるべく、定規を使って直線を引くと丁寧です。
結婚式の招待状に限らない日本ならではのマナーです。日本では、相手を敬う尊敬語と、自分がへりくだる謙譲語があります。返信はがきにもその慣習は息づいており、尊敬や謙譲の言葉を書き換えてから返信しなければいけないという、ちょっと手間のかかるマナーが存在するのです。
例えば、結婚式の招待状に関しては、以下の点に気をつけて修正してから投函するようにしましょう。
受け取った招待状には、必ず「御出席」「御欠席」といった記載があります。「御」という字は相手への尊敬を表す文字なので、新郎新婦からゲストに対して使われるのは問題ではありません。しかし、返信はがきを送る時点では、主客はゲスト自身です。日本語は自分自身に尊敬語を使うことはなく、その矛盾を正すために「御」に打ち消し線を引く必要があります。
返信はがきには、返信先の式場の住所や、新郎新婦の新居の住所などが記載されています。人名の後には必ず「様」をつけて返信するのがマナー。間違っても、「行」のままや、敬称を付けずに返信することのないようにしましょう。
返信をする際、誰が結婚式に出席するのかの名前を記載する「御芳名」の欄があります。ここでやってしまいがちなのが「御」だけを打ち消して返信してしまうという過ち…。実際は、「御芳」までが敬語なので、御芳だけを消して、「名」だけを残すようにしましょう。
実際にどのように記載するのか、出席と欠席、それぞれの記載の仕方を見てみましょう。
「御出席」の“御”と“御欠席”に二重の打ち消し線を引き、出席に◯をつけます。「“慶んで”出席“させていただきます”」となるように、前後に言葉を書き足すGOODです。
また、お祝いのメッセージ、例えば、
「ご結婚おめでとうございます
お招きいただきましてありがとうございます
喜んで出席させていただきます」
などの短文を添えて返信してください。
「御欠席」の“御”と“御出席”に二重の打ち消し線を引き、欠席に◯をつけます。「“残念ながら”欠席“させていただきます”」となるように、前後に書き足しましょう。
このとき、欠席理由は書く必要はありません。出産などのおめでたいトピックならOKですが、忌中などの祝いの席にふさわしくないトピックなら触れないのがマナーです。一般的には、以下のように記載して返信しましょう。
「ご結婚おめでとうございます
せっかくお招きをいただきましたが
どうしても都合がつかず出席することができません
末長い幸せをお祈り申し上げます」
お祝いごとに“終わり”や“区切り”を意味する句読点はふさわしくありません。そのため、招待状の返信では、句読点を省いて記載しましょう。読みにくい場合は、単語と単語の間を少し空けて、分かち書きするといいです。
“別れ”などを連想させる不吉な言葉は、結婚式の招待状でも使わないのがマナーです。また、“重ね言葉”もよくありません。
例えば、「たまたま他の予定と重なってしまって」といったメッセージを返信に記載したくなることはあるかもしれません。しかし、“たまたま”や“重なる”は、重ね言葉に当たるためNGです。また、どんなに親しくても「マジで」「やばい」といった言葉遣いは避けましょう。式場のスタッフや、新郎新婦の両親らがチェックしている可能性もあるので、できるだけ形式通りにするのが無難です。
招待状に添えるメッセージは、基本的には短いものでOKです。「結婚を祝いする気持ち」「結婚式招待への感謝」「出席の意気込みや、欠席への謝罪の気持ち」の3点を抑えると、よりまとまりのあるメッセージになります。
「この度はご結婚おめでとうございます 友人として出席できうれしいです 当日のウエディングドレス姿を楽しみにしています」
「ご結婚おめでとうございます 当日楽しみにしています お手伝いすることがあればいつでも相談してください」
「この度はご結婚おめでとうございます お二人の晴れの舞台にお招きいただきうれしく思っています 慶んで出席させていただきます」
「この度は誠におめでとうございます お招きいただきありがとうございました 夫婦揃って当日を楽しみにしています」
基本のマナーはわかったのですが、こんな「困った!」状況ではどうすればいいのでしょうか?
A.結婚式の招待状は、できるだけ早くに返信をするのがマナーです。しかし、今現在、出席できるかどうかわからない…という状況に陥っている人もいることでしょう。
そんなときは、直接新郎新婦に電話で状況を説明するようにしてください。勝手な判断で、連絡もなしに期限を破ったり、返信をしないのはNGです。できるだけこまめに現状を伝えるようにしましょう。
A.家族全員が招待されたけれど、実は1〜2名だけ出席できない……というケースもあるのではないでしょうか。
この場合、「御出席・御欠席」の部分は出席に◯を付けて、御芳名の欄には出席する人の名前だけを記載して返信してください。
なお、出席できない理由があれば、その理由も添えておいて。最後には「当日は楽しみにしています」といったポジティブな印象の言葉でくくれば、欠席者がいても角が立ちません。
A.最近では食物アレルギーに悩む人が少なくありません。そのため、食物アレルギーを申告する欄が併記されていることがあります。有無によって違う書き方は以下の通りです。
アレルギー有「◯◯のアレルギーがあります 恐縮ですが配慮いただけますと幸いです」
アレルギー無「アレルギーは特にありません ご配慮いただきありがとうございます」
A.マナー違反ですが、なるべく早く、わかった時点で返事をしましょう。また、この場合、はがきを返送する意味を感じないかもしれませんが、新郎新婦の中には記念に保管する人もいます。必ずはがきも送ってください。
手っ取り早いからとLINEやメールなどで返事をするのはNGです。新郎新婦にとっては大切な一生の思い出になる結婚式。できるだけ誠意を表す気持ちで対応しましょう。
A.招待状はすでに「出席」で返信したけれど、急に出席ができなくなってしまった……。そんなときは、わかった時点で連絡を入れましょう。不幸があった場合は、その理由は触れなくてもいいですが、相手が納得しないようなら伝えてもOK。後日、お詫びとお祝いをして、きちんとフォローすることも忘れずに。
最近は、結婚式の招待状のユニークな形で返信する人が増えているそうです。とてもユニークな方法なのですが、ユニークな形式で返信することで、マナー違反にならないかも気になりますよね。
A.二重線で打ち消すのもいいけれど、ちょっと小粋に返信するなら「御」などの文字の上に「寿」を重ねてみて。これを巷では「寿消し」といいます。ただの二重線をひくよりもユーモアがあり、より、お祝いの気持ちが伝わりそうですよね。
A.寿消しだけではなく、最近ではイラストなどを描き込んで返信する人も少なくありません。もちろんOKです。華やかなイラストは、返信はがきを受け取った新郎新婦を嬉しい気持ちにさせてくれますね。
ただし、装飾して返信するのは最近の流行。もし行うのであれば、以下の項目をクリアできた場合に限定するようにしてください。
以上のことを確認のうえ、行いましょう。
招待状は、新郎新婦の両親が差出人であることがあります。その場合は招待状をまず目にするのは新郎新婦の両親です。イラストに驚く場合もあるので、行う場合は慎重にするのがベター。
また、やり直しが効かない点もご注意を……。他にも、シールなどを貼って打ち消し線代わりにする人もいるようですが、たくさん貼りすぎると重量オーバーで追加料金が発生する可能性もあるので気をつけましょう。
いかがでしたか? 結婚式の招待状は業務的なやり取りにとどまらず、祝福の気持ちを表す大切なコミュニケーションツールです。大切な人からの返信はがきであればなおさら……。相手の気持ちを想像しながら、祝福の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか?