神前式といわれてイメージするのは、清楚な白無垢や艶やかな色打掛など華やかな花嫁さまの姿と古式ゆかしい儀式でしょう。
でも神前式に参列する機会はなかなか無くて、具体的な流れがわからない方も多いのではないでしょうか。
神社の神前式に参列できるのは親族まで、とするところが多いことも理由の一つ。
そこで和婚に憧れるプレ花嫁さまに神前式の基礎知識や流れ、執り行うときの注意点をご紹介します。
神前式は神社、あるいはホテルや結婚式場の館内神殿で執り行われます。
神社で神前式後に披露宴・披露パーティ会場へ移動するか、神社によっては会食や披露宴が行える会場を併設しているところもあります。
憧れの神社、縁結びの神様を祀った神社、あるいは昔から参拝している地元の神社だからといったご利益やご縁を選ぶポイントとするカップルが多いです。
あるいは和婚にしたいけれど、アクセスや施設、サービス面からゲストのおもてなしへの安心感があるホテルや結婚式場の神殿を選ぶカップルもいます。
もちろん最近では結婚式のために施設やサービスを充実させている神社もあるので、優先順位を決めて場所を決定しましょう。
神社でも模擬挙式、披露宴会場の見学を行っているところもあります。いわゆるブライダルフェアで、会場の見学や見積もり、相談などを行ってくれます。
候補の神社があるのなら直接相談してみましょう。披露宴会場が併設されていなくても紹介してもらえることがほとんどです。
また他の方の挙式が行われている日時をきいて、デートがてらおふたりで様子を境内から見学してみては?
直接神社ではなく、ブライダルサロンに相談してみてもいいでしょう。
神前式にするかどうかを迷っている場合には、他の挙式スタイルもあわせて相談できますね。
広い境内を持つ神社の挙式のときに行われるのが「参進の儀」で花嫁行列、とも呼ばれます。
神前式を執り行う神殿まで、神職や巫女を先頭に新郎新婦と家族、親族などが列になって歩いていく儀式のことです。
神社によっては楽人が加わり、雅楽の調べが響くなか進んでいきます。
この花嫁行列に憧れて神前式を行うカップルも多いもの♪
神社では挙式のために貸切になることはほとんどなく、一般の参拝客もいて多くの方からの祝福も受けられて、幸せのおすそ分けもできる素敵な儀式です。
挙式前ではなく、挙式後に行列で練り歩くこともあり、呼び方も他に花嫁道中、花嫁御寮(はなよめごりょう)などがあります。
注)神社・会場により異なります。
神前式は「家と家とを結びつける儀式」であるため、両家の家族や親族以外の参列は認められないことも多く、流れや作法を経験する機会は限られています。
神社・会場により多少流れは異なりますが、どんな式次第になるのか確認しましょう。
所要時間は教会式とあまり変わらないようです。
ホテルや結婚式場の神殿では省略されることがほとんどですが、神社で行う場合には「参進の儀」の前に参列者全員で「手水の儀」を行います。
これは一般的に神社にお参りするときにやる、入口の方の水と柄杓でのお清めのことです。
・入場
神殿への入場は新郎新婦、媒酌人、新郎両親、新婦両親新郎親族、新婦親族の順番です。
新郎新婦は中央の前座に座り、その後ろに媒酌人(夫婦)が座ります。
神殿に向かって右側が新郎の家族・親族、左側に新婦の家族・親族が座ります。
・修祓(しゅうばつ)の儀
神事の前に身を清めるお祓いの儀式です。
式を司る斎主が入場して拝礼します。全員起立して一同が神前へ一礼します。
斎主がご幣(ごへい)を振ってけがれを祓います。
・祝詞奏上(のりとそうじょう)
斎主が神前でおふたりの結婚を報告し、神の加護を願う祝詞を読み上げます。
・三献(さんこん)の儀
三々九度のことで、杯を交わすことで夫婦の契りを交わす儀式です。
実際には三つ組みの盃で新郎新婦が御神酒(おみき)を頂きます。
一の杯(小盃)を新郎が受け新婦へ渡して新婦が頂き、二の杯(中盃)は新婦から新郎へ、そして三の杯(大盃)は再度新郎から新婦へ渡されます。
どの杯も一口めと二口めは口をつけるだけで、三杯めで頂きます。
お酒が飲めない方は事前に申し出て、水で代用してもらうか、口をつけるだけも可能なようです。
・誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦が神前に進み出て、誓詞(誓いの言葉)を読み上げます。
新郎が読み上げ、最後に新郎の名前に続けて新婦が名前を言います。
・玉串奉奠(たまぐしほうてん)
新郎新婦が神前に玉串を供えます。
巫女から玉串を手渡されるので神前に進み玉串案(台)の上に捧げます。
二拝・二拍手・一拝し席に下がります。
席に下がるときは新郎新婦がお互いに背を向けないように内回りで向きを変えます。
続いて媒酌人が玉串を供えます。
・指輪の儀(指輪の交換)
神前式の挙式でも指輪の交換をします。
新郎が受け取り新婦の左手薬指へ、次に新婦が新郎へ指輪をはめます。
これはキリスト教式のように行います。
・親族杯の儀
両家が親族となった誓いを交わすため盃を頂きます。
それぞれの前の盃に御神酒が注がれますので全員が起立して、三口で飲み干します。
媒酌人の乾杯の発声(挨拶)や斎主の発声で頂きます。
・斎主あいさつと退場
斎主が神に式の終了を報告・一拝し、全員起立して一礼します。
斎主が新郎新婦に祝いの挨拶をし、斎主、新郎新婦、媒酌人、新郎両親、新婦両親、新郎親族、新婦親族の順で退場します。
神社によってはご紹介した儀式に加えて、オプションやオリジナルのセレモニーのあるところもあります。
雅楽の演奏に合わせて、巫女が舞を踊ります。誓詞奏上や玉串奉奠の後など、式の後半に行われます。
神様のための舞の奉納で、演目は両家の繁栄を祈る豊栄舞(とよさかのまい)や平安を祈る「浦安の舞」などが踊られます。
新郎新婦の互いの実家の水を汲んできて、ひとつの杯に注ぎ合わせ飲む儀式。
別々の水(環境)で育ってきたおふたりが、新たな家庭を築けるようにとの願いが込められています。最近では人前式でも行われたりしています。
群馬県の冠稲荷神社では指輪の交換ではなく、「縁結びの儀」を行います。
紅白の組み紐をお互いの指に結び合う儀式で、「お互いの結びつきがより強いものでありますように」との願いが込められています。
玉串は神事で捧げる榊(さかき)の枝です。捧げ方には作法があります。
①玉串の根本を右手で上から持ち、左手は葉を下から支えるように持ちます。
②進んで一礼したら、玉串の根元(右手)が手前にくるように90度回します。
③左右の手を持ち替え(左手を下にずらして根本を持ち、右手を葉先に)、180度回転させて根本を祭壇に向けます。
④そのまま静かに玉串案(台)に置きます。
神前式のリハーサルをしてくれるところと、当日に説明を受けてぶっつけ本番のところとどちらもあります。
リハーサルがなくても事前に説明を受け、誓詞のコピーがもらえることもあるので、おふたりでリハーサルしておくと安心です。
ぶっつけ本番でも斎主や巫女の方がしっかりサポートするので大丈夫です。
・神社の祭祀がある日を避けて日取りをする必要があります。季節によっては祭祀が多いと挙式に対応していない期間もあるので注意が必要です。
・神前式の参列は親族のみだったり、友人参列が許されても収容人数が少ないことがよくあるため、親族以外の方には事前に事情を伝えておく配慮が必要です。
参列できないかわりに花嫁行列を見てもらう、または花嫁行列には友人も参加できたりすることもあるので、神社に確認してお伝えしましょう。
・神社の神前式では写真撮影が禁止の場所(神殿など)や写真撮影をしてはいけないタイミングもあります。
専属のカメラマンにお願いしたり、撮影ルールを確認して参列者にお伝えしておいたりなどの配慮が必要です。
・挙式中に神社そのものが貸切になることはほとんどありません。
挙式中でも参拝客を受け入れているのが一般的です。
神社によっては結婚式が行われている拝殿前で、賽銭を投げ入れて参拝する方がいらっしゃることもあるかもしれません。
神社での神前式では、神殿使用料から神主や巫女への謝礼などまでまとめて「玉串料(初穂料)」として神社に納めるのが一般的です。
「玉串料(初穂料)」の目安ですが、5万円~20万円程度で、神社によって差はあります。
また参進の儀、巫女の舞や雅楽生演奏などはオプションになることが多く、希望する場合は確認しましょう。
また写真撮影禁止の神社の場合は、神社の専属のカメラマン代が必要です。
挙式そのものはご紹介した通りですが、ばかにならないのが和装にかかる費用です。
当然、衣装のランクや着付けによって費用が変わってきます。
挙式費用だけならば、キリスト教式よりもリーズナブルといわれますが、オプションの儀式や衣装にかかる費用を含めるといくらになるのか、結婚式全体できちんとチェックしましょう。
またホテルや結婚式場内にある神殿の場合は、キリスト教式と同じような見積もり項目、の「挙式料」と記載されることが多いようです。
荘厳な雅楽の音色のなか執り行う儀式は、まさに一生の思い出。
神前式は和装に憧れるだけでなく、家と家との絆を大切にしていきたいと考えるプレ花嫁さまにもおすすめです。
そして神社で結婚式を行えば、初詣や子供が生まれてのお宮参り、七五三など家族の行事を同じ神社で重ねていけるのも魅力です。
両家の宗教など問題がなければ、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。