結納は、日本に昔から伝わる伝統的な儀式の一つです。
そのため結納で使われる言葉には、ある程度の決まりが存在する一方、地域によってもしきたりに違いがあるものです。
しかしなかなか立ち会う機会もない結納ですから、実際「どんな言葉を使ったら良いの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、結納で使われる口上をまとめてみました!
結納で使われる「口上」とは、儀式においてルールに乗っ取った言葉を交わす事です。
日常の挨拶の様に、結納においても「この場面ではこう言う」という決まりがあります。
こうした流れに沿って決められた言葉の事を、口上と言うんですね。
結納を行う際には、こうした口上を知っていないと恥をかいてしまう事にもなりかねません。
しかし現在では、一口に結納と言っても様々なスタイルの結納が行われています。
その多くが「略式結納」と呼ばれており、正式な結納よりも少しカジュアルな形となっています。
また正式結納では仲人を立てて行いますが、仲人を立てないケースも非常に多くなっています。
そのため口上も昔ながらの決まりきったものではなく、ある程度アレンジして使用していく場合が大半です。
結納自体に様々なスタイルがある訳ですから、口上もアレンジされていくのは自然なことかもしれませんね。
そこで今回は大変多くなってきている略式結納で仲人なしの場合の、基本となる口上をご紹介していきます!
では、流れに沿って基本の口上を見ていきましょう。
結納品などがある場合、まずはそれらを飾り付ける必要があります。
その際、「本日は床の間をおかり致します。」と述べてから作業をしていきましょう。
また飾り付けにも様々なスタイルがあり、男性側が飾り付けている間は女性側が退室するというケースもある様です。
飾り付けが終わったら、実際に結納が始まります。
まずは男性の父親が口上を述べます。
「この度は○○(男性)と○○様(女性)の良縁をご了承いただき、誠にありがとうございます。
本日はお日柄もよろしいので、結納を納めさせて頂きます。
婚約の印として結納の品を持参致しましたので、幾久しくお納め下さい。」
口上と共に、結納品を女性側へお渡しします。
結納品を受け取ったら、女性側の父親が口上を述べます。
「結構な結納の品々、ありがとうございます。
幾久しくめでたくお受けいたします。
こちらが受書でございます。
お納め下さい。」
ここで、受書をお渡しします。
そして結納返しをお渡ししていきます。
「こちらは結納返しでございます。
幾久しくお納め下さいませ。」
結納返しを受け取り、男性側父親が口上を述べていきます。
「結構な品々、ありがとうございます。
幾久しくめでたくお受けいたします。
こちらが受書でございます。
お納め下さい。」
ここで受書をお渡しします。
最後に、男性側の父親が結びの口上を述べましょう。
「本日は誠にありがとうございました。
おかげさまで無事に結納をお納めする事ができました。
今後とも幾久しく宜しくお願い致します。」
口上には昔ながらの言葉も入っており、分かりにくい表現も多くなっています。
またカジュアルな結納を行う場合には、ご紹介した基本の口上では場の雰囲気に合わない事もありますよね。
だからこそ、口上は「基本」を知った上でのアレンジが必要となってくるんです。
実際に行う結納のスタイルに応じて、適切な口上を自分なりに作っていきましょう。
しかし基本があるという事を忘れずに、相手側には失礼のない言葉遣いを心がけていって下さいね。
両家の結び付きとなる大切な「結納」ですから、臨機応変に気持ち良く口上を述べて進めていきましょう!