伝統的な婚約の儀式を行うのが「結納」で両家の親睦を深めるため、食事会というスタイルをとるのが両家「顔合わせ」です。
このように目的が違うため、準備するもの(つまり費用)と流れの2点が大きく違います。
結婚の準備としての第一歩、結納の基礎知識からそれぞれのメリット・デメリットまでご紹介します。
結納とは伝統的な婚約の儀式で、両家で結納品、結納金などを交換しあいます。女性側が用意するものを結納返しといいます。
それに対して、両家が初めて顔をあわせておふたりの結婚を約束しあい、親睦を深めるのが顔合わせです。
食事会というスタイルをとるのが一般的です。
男性側の家が用意するのが結納品で、家庭円満、長寿、子宝などのおめでたい意味を込めた品々です。一般的に9品目ですが5品目~13品目など数や内容も地域により異なります。
結納金は、結納品のなかの「御帯料」または「小袖料」にあたります。
女性側の家が用意する品々を結納返しといいます。
婚約記念品(※)を用意する場合もあります。
※婚約記念品の説明は後ほどします。
結納金はキリの良い金額とされ「一包み」「一本」といわれる100万円とすることが多いようです。
女性側の家が「お気持ちだけで。」と結納金を辞退する場合もあり、結納金なしの結納というパターンもありえます。
両家顔合わせのときに「婚約記念品」の交換をすることがあります。
婚約記念品の定番は、婚約指輪や時計です。男性へはオーダーメイドのスーツを贈ることもあります。
両家顔合わせだけではなく、結納の時にも結納品にプラスして婚約記念品を交換したり、婚約記念品としての婚約指輪をお披露目したりします。
婚約記念品ではなく、その分の費用を新居での家電に充てたというカップルもいます。
必ずしも必要なものではありません。
結納は本来、仲人をたてて両家を往来するのが正式ですが、現在では略式で行われ、料亭、ホテル、レストランの個室、結婚式場が会場に選ばれます。
そうした場所では結納品のセッティング、食事、写真等をセット販売している結納プラン、結納パックが用意されています。
両家顔合わせでも、料亭、ホテル、レストランの個室が選ばれます。お互いの家の中間あたりの場所にする、それぞれの両親の食事の好みにあわせるといった配慮が必要です。
結納は結婚式の3-6ヵ月前の吉日、両家顔合わせも同様の時期になることが多いものです。
結納は基本的におふたりと両家の親とで行います。仲人をたてる場合もあります。祖父母や兄弟姉妹も出席する場合は
相手の家へ事前に知らせますが、両家で人数を合わせる必要はありません。
両家顔合わせにはしきたりなどはありませんので、両家で出席する範囲を話し合って決めましょう。
結納は正式結納、略式結納(仲人有り)、略式結納(仲人無し)のいずれかで行われますが、最近では略式結納(仲人無し)が多くなっています。
その場合、進行役は男性側の父か、結納プランで付く進行の方が行います。
一般的には、あいさつ(口上)→結納品を渡す(男性側)→→結納返しを渡す(女性側)→あいさつ(結びの口上)→記念撮影→祝宴(食事と歓談)という流れになります。
結びの口上までの部分で約20分程度です。その後、祝宴で2~3時間でしょう。
両家顔合わせの食事会の流れは、あいさつ→家族紹介→→婚約記念品交換→乾杯・歓談→あいさつ、となります。
進行役は新郎にするのか、あいさつは誰が、といったことを話し合ってきめておきましょう。
結納のメリットは、両家の親にけじめがつく、親が満足する、伝統的な儀式を行うことで結婚に対して気が引き締まった、といったことを先輩カップルはあげています。
デメリットはなんといっても、費用がかかること、決まりごとが多くて大変なことです。出費はかなり痛いといった意見がとても多いです。
またやってみて初めて「嫁ぐ」という形式が嫌だと感じた、といった意見もあります。
両家顔合わせのメリットは、気楽に開催できる、経済的負担が少ない、和やかな雰囲気で進められる、といったことができます。
特に費用をおふたりだけで負担できる点に良さを感じるようです。
デメリットは、親が結納をしてほしかったよう、距離や食事の好みなど意外と場所選びに苦労した、といった意見があります。
結納と両家顔合わせの違い、ポイントをご紹介しました。
実は結納を行うカップルの場合、事前に両家顔合わせの食事会を行い、後日「結納」をするという両方を行うカップルが多数派です。
結納に関する考え方は地域や家でかなり違うためこだわりの強い方にあわせることになるかもしれません。
しきたり重視か、親睦重視かなどおふたりを中心に両家で話し合って決めましょう。